違法にコピーした人気漫画を無断で公開していた海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)を巡る著作権法違反事件で、福岡県警などに24日逮捕されたサイトの元運営者星野路実ろみ容疑者(27)が昨年春頃、サイト売却を出版関係者に持ちかけていたことが捜査関係者らへの取材でわかった。

 星野容疑者はこの頃、県警から任意聴取を受け、海外に出国しており、県警は当時の経緯を詳しく調べる。

 県警によると、星野容疑者は無職安達亘被告(38)らと共謀し、2017年5月29日頃、集英社(東京)が発行する人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」866話の画像ファイルを漫画村のサーバーにアップロードして閲覧できる状態にし、同社の出版権を侵害したとして逮捕された。

 捜査関係者らによると、星野容疑者は18年春頃、出版関係者にメールを出し、サイトの買い取りを求めたという。この頃行われた県警の任意聴取には、漫画村運営への関与を否定する趣旨の説明をしていたが、聴取後の同年5月に出国。フィリピン・マニラで今年7月、入管当局に拘束されていた。経緯を知る関係者は「(サイトの売却を持ちかけ)罪から逃れようとしているように見えた」と話した。

 福岡県警が星野容疑者らの関係先から、発信元のIPアドレス(インターネット上の住所)を匿名にする通信機器など約360点を押収していたことも判明した。県警は発信元を隠してサイトを運営した疑いがあるとみて、実態解明を進める。