ドアを引っ張り合うという行為をしたのみ

　そこで、被告1は山口に対し、「怖がらせて悪かった。全部説明するから」と言ったところ、山口は「1人で話をするのは嫌だ」と言い本件マンションの他の部屋に居住しているK（※メンバーの名前）を呼びに行ったが、Kが不在であったことから、被告らに対し、本件マンションの外で待っているように申し出た。
　被告らは、山口氏から言われたとおり、本件マンションの外で待機し、その間に甲に連絡をとり、状況を説明し、甲と合流した。
　被告らは、甲とともに、本件マンションの外で待機していたところ、山口氏がB（※「週刊文春デジタル」ではこれまで「M子」と表記）とともに被告らのもとに来て、話し合いをするために公園に行くことになった。

　準備書面は以下のような「総括」で締め括られている。

◆

　事実経過に関する主張の総括
　以上述べたとおりで、被告らは、山口氏に対し、暴行を加える計画などしておらず、したがって、暴行の事前共謀を遂げた事実もない。
　また、被告らは、山口氏の顔をつかむという暴行はしていない。
　山口氏に対する有形力の行使として、被告1は、何もしておらず、被告2が山口氏と本件マンション●●●号室（※山口が住む部屋）のドアを引っ張り合うという行為をしたのみである。

山口は「そのような事実はありません」

　以上が準備書面後半の概要である。

　A氏がB氏、C氏、山口、M子と共に公園に行った際、M子が録音した「音声データ」は「週刊文春デジタル」で公開している。「音声データ」には山口はA氏らに「（繋がっているメンバーを正直にいわないと）人生滅茶苦茶にするから」と強い口調で詰め寄っており、顔を掴まれたことを警察や運営スタッフに訴えている。「週刊文春デジタル」では、山口が所属する芸能事務所「研音」に被告側が主張する犯行グループとのつながりなどについて事実確認を求めたが、「そのような事実はありません」と回答した。　

「誰が一番の嘘つきなのか、それをはっきりさせたいと思ってこの裁判をすることにしました」。AKS社長の吉成夏子氏は今年8月、NGTメンバーの保護者を前にこう説明した。今後の展開としては10月28日、非公開で弁論準備手続きが行われる予定だ。