誰が将来の統計の在り方を考えるのか
デジタル化を含め、より精度の高い統計を作るための議論が必要ですが、そこで問題になるのが「人材不足」です。「ビッグ・ピクチャーを描ける人がいない」と鈴木さんは主張します。
「統計はいろいろ言われていますが、毎月勤労統計問題を除けば、意図的な悪事はなく、むしろ意図的な不作為(統計制度を変えないといけないのに変えなかった、現場でデータの不正が起きやすいような体制なのに改めなかったということです)が多いんです。多くの人がアベノミクスが統計偽装をもたらしたと考えているかもしれませんが、それは誤解です。回答率すら下がり続ける統計をどう変えるのか。20年以降の統計の絵図を誰が描けるのか。そういう話を本来はしなくちゃいけない」(鈴木さん)
筆者も鈴木さんの意見には同意で、安倍首相が退陣すれば統計問題が解決するかといえば、そうではないでしょう。そんなこじつけより、統計の「現場」を立て直す施策を一緒に考えられないのでしょうか。
しかし、鈴木さんは「若手の政治家に頼るしかない」と諦め気味です。
「中堅・ベテランは統計の数字が変でも、今すぐ影響を受けないんです。でも確実に未来をむしばむ。だから若手政治家に、あなたたちが大臣や総理に就任する頃、手元の数字がでたらめだったら困るでしょう。そう言うしかない」(鈴木さん)
統計は英語で「statistics」と書き、国家(state)や状態(status)と同じ語源のラテン語に由来しています。国家の状況を表す言葉として使われるのが統計なのです。統計は今の日本を表現できているのか? 私は関係者に、そう問いたいと思います。
コメント4件
佐々木
ヤミ統計というのは初めて知りましたし、ここで書かれた内容が真実なら非常にセンセーショナルな話だと思う。既存のメディアは何をしてきたのか?
かず
公務員減らせの大合唱の結果がこれだよ
千葉の災害復旧にも見るように、日本は公務員を減らしすぎた
減員スタートの時点でも、人口当たり公務員数は欧米に比べて
ずっと少なかった、ミスリードした論者・マスコミの罪は大きい
Acchie123
なし
非常に深刻な話題である。抜け道が「アンケート調査」や「世論調査」だというのは何とも哀しいというか唖然とする。政府統計が信用ならないのは、制度運用に難があり、それが「統計法」が必ずしもアップデートされていないからだとしても、抜け道は封じておく
べきだろう。「アンケート調査」や「世論調査」も、質的な保証を、法的に要求すべきではないか。細部に立ち入っての規制は実効性に疑問があろうが、これら調査は、一回限りのものではないこと、さらに、前回までの調査結果との合理的な比較が可能であり、比較結果の公表によって、時系列的に、「調査」の信頼性を評価できることは最低限要求すべきことだろう(「政府統計」の補助の場合だけでなく、一定の社会的な影響が見込まれる「調査」類すべてに関して、法的な権威付けが不可欠だろうということである)。...続きを読むnone
すぐに解決はできないだろうが、減らしすぎた公務員は元に戻すべき。すでにOECD諸国で人口比最低となっていて、アメリカの半分も公務員がいない現状では、統計も過労死も虐待も改善はままならない。
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