サイタマ(ワンパンマン)

登録日:2012/02/14(火) 23:01:57
更新日:2019/09/14 Sat 16:39:20
所要時間:約 9 分で読めます




「何者だ お前は?」

「趣味でヒーローをやっている者だ」


……なんだその適当な設定は

ONE氏が描くWEB漫画【ワンパンマン】の主人公であるヒーローの青年。

CV:古川慎


【概要】

年齢は25歳。一人称は「俺」。特徴は ハゲ
原作では廃墟の管理人室を(おそらく無断で)改造した住居で暮らしている。
村田版では、家賃を払ってZ市のゴーストタウンにあるアパートで暮らしている。



幼少期、ヒーローに憧れるも、結局社会人として生きるべく就活に勤んでいたが、ある日、子供を狙う怪人と遭遇。
やむなく子供を救うべく、怪人に立ち向かいフルボッコされつつも勝利をもぎ取る。
以降、幼き日の夢が再燃し、頭髪が全て抜け落ちるほどの三年間の鍛練の末……彼はあらゆる敵や困難をワンパンで叩き潰し、あらゆる攻撃にも無傷な無敵のヒーローとなった。
……大切な何かを失って。


そう、髪の毛感情を失って。

ちなみに怪人が子供を襲った理由は自分にチクビのラクガキをしたというくだらないものだったりする。

【人物】

全力出しても認められない日々やチート過ぎる実力により、対等な実力の相手が存在しない飢餓感に加えて、当人がかなり天然な影響もあって、飄々とした気怠げなハゲた無職の青年である。
とは言え、主に彼のおバカさが原因で師匠と慕うサイボーグ青年が自分より高い地位のヒーローに認定されると、寂寥感や焦燥感を幾らか感じていたり、飢餓感や虚無感以外の人間らしい感性も抱えている。
と、言うよりもその凄まじい力故に達成感がないせいで欠落しつつある、と言う方が正しい。

当人は「正義の味方は完全なる趣味でやっている」と心の底から豪語しており、他の生真面目な使命感に燃え責任感溢れるヒーローからすればおふざけにも見える。

しかし、完全な趣味として好きで没頭しているだけに心の内は純粋な正義感に溢れており、己のやるべきヒーローとしての道に迷いなく突き進む、真直ぐな青年である。

ただ、当人としては趣味で好き放題やっているので、自身の無力さを理解しながらも、市民を守る為に遥か格上の怪人に時間稼ぎを挑む弱いヒーローを称える精神を持つ反面、気に食わない奴には所謂理想的正義漢とは程遠いドライな対応をとったりもする。
その一方で相手の本質を見極める眼は確かで、ポツリと正鵠を射抜く事が多い。
そして、趣味であるために助けた一般人からの不当な評価に対してもどこ吹く風、そうでありながら怪人との戦いには迷いなく駆けつけるなど、功名心や利益等には興味は殆ど示していない。


【戦闘力】

「新人類だの進化だのと遊んでいる貴様等では決してここまで辿り着けん」

「自分で変われるのが人間の強さだ!」

ハゲマ……もといサイタマの他にもヒーローは存在し、例えば機械の体(サイボーグ)だったり、サイキッカーだったり、人間離れした体術の達人だったりするのだが、サイタマは鍛え抜いた肉体のみを武器に戦う今時珍しい昔気質のヒーロー。
別段筋骨隆々というわけでも武術を嗜んでいるわけでもない上にアホ面にハゲ頭、場違いなまでにマイペースな態度を取ることから、作中で実力を見たことの無い者からは「身体能力が一般人程度の空気の読めない低級ヒーロー」と判断されてばかりいる(例外は阿修羅カブトのみ)。
しかしその肉体のレベルが異常で、タイトル通り大抵の敵をワンパン(チ)で仕留める程の筋力を持つ。
肉体も大抵の攻撃をノーガードで食らっても、僅かなダメージにすらならない程頑強である。

サイタマは何かしら特別な血筋でもなく、改造人間でもなく、何か異能力に覚醒したでもなく、ただ純粋に3年間休まず、普通のトレーニングでひたすら体を鍛えてこの強さを手に入れたという、昨今の漫画やラノベ含めて珍しい最強系主人公。鍛える描写のあった天道ですらここまでではないのに。

しかし、それを語っても大半が信じず、「何か特別な秘訣があるんでしょ?」と返されるのがデフォ。まぁ相手の気持ちも分からないではないけど。

トレーニングの内容は、
  • スクワット100回、上体起こし100回、腕立て伏せ100回、ランニング10キロを毎日やる。
    • この「毎日」というのは誇張ではなく、たとえ病気になろうが、腕がブチブチと変な音を立て始めようが、怪人の襲撃で避難していようが絶対に休まない。
  • 1日3食きちんと食べる。朝はバナナ。
  • 精神を鍛えるために冷暖房を封印(本人曰く一番キツいらしい)。
君も強くなりたければぜひ挑戦してみよう。ただしハゲても責任はとれません。
あと冷暖房を使わない生活は夏は熱中症、冬は風邪や凍傷になる危険性があるので一般的におすすめできない。

以下、作中の彼の超絶ぶり。
  • 大抵の敵を拳一発で死に追い込む。
  • 物語開始以前の時点で軍が出動するレベルの強さを持つ体長38mの怪獣を一撃で撲殺(理由は「トイレに行きたかった」)。
  • 街よりでかいクレーターが出来るほど殴られても服が汚れただけ。
  • 身長200mの巨人の顔まで底が見えない程の大穴の中から一っ跳びで飛びあがり、そのまま撲殺。
  • 超高温高圧ガスの渦中に放り込まれても服が焼けただけ。
  • 怪人を殴り飛ばして叩きつけ、高層ビルを倒壊させる。
  • ワンパンで高層ビルを倒壊させるバトルスーツの、MAXパワーのパンチを余裕でキャッチして静止。
  • 音速に達した敵の挙動、表情をアッサリ見抜く。
  • 不意打ちの暗器を指先でキャッチ。
  • 辺りを更地にする衝撃波を食らっても服が破れた程度。
  • 巨大隕石を例によって一撃で粉砕。市街にも被害はあったが、サイタマの配慮で死人はゼロ。
  • ミサイルをも跳ね返すシェルターをぶち破るパンチを受けても無傷。
  • 都市を更地にする巨大砲弾を蹴り返す。
  • 単身、地球に攻め込んで来た宇宙船内部に乗り込み、施設と刺客をボッコボコに。
  • 単なる投石で怪人の頭を爆砕。
  • 遠当てで敵に大ダメージ。
  • マトモな生物なら灰すら残らないほどの熱を持った、1㎞程もあろうかという爆発に巻き込まれても平気。
  • 地球表面を消し飛ばす光線をマジ殴りで粉砕し、余波で敵に致命傷を与えた。
  • 蹴っ飛ばされて月面に叩きつけられても平気。しかも月からジャンプして寸分違わず地球に戻ってくる。(村田版)
  • 光速のレーザーの弾道を見切って躱せるジェノスより更に早いソニックを軽く上回る速度で動き回る。(村田版)
  • 地球を消し飛ばす威力の光線をマジ殴りの余波で粉砕し、敵に致命傷を与えた。(アニメ版)
  • 全身が液体で出来ている怪獣を一撃で完全粉砕し行動不能に追い込む。
  • とにかくダメージを受ける描写自体皆無。コンクリが抉れる攻撃どころか何tもの瓦礫をぶつけられ、巨大建造物を倒壊させるほどの破壊力をもってしても。
  • 並の怪人では全く歯が立たないS級ヒーロー多数を打ち破った怪人打ち破る。勿論力はセーブして。
  • 防衛システムのみでA級ヒーロー全員分の力を発揮するロボットの軍勢をあっさり全滅させる。

等々、ざっと見てもチートな力を見せているが、未だ全力を見せた事はない。作中、現時点で全く苦戦描写はなく、圧倒的な戦闘能力を持って、敵をほぼ瞬殺している。余りにも強すぎて異能でもなんでもない普通の技ワンパンで何でも片付けてしまうため、逆に作中人物からは強さが十分に理解されていない節がある。
確かな実力を持つS級ヒーローにもなるとその異次元的な強さを見抜く者も居るが、一般市民や弱いヒーローからは殆どインチキ或いは敵が見掛け倒しだった扱いされることが多い。
敢えて弱点を挙げるとすれば、彼のトレーニングは筋トレと健康的な生活習慣、精神鍛錬(熱くとも寒くともエアコンを使わない生活)だけなので、サイタマ自身格闘技の素人である。
とはいえ彼のチートな身体能力からしたら全くマイナスにならないため、弱点と言うより短所と言うべきか。
実際、あらゆる格闘術を習得、災害レベル:竜*1以上に達し、S級ヒーロー複数人がかりでも全く歯が立たないほどになった怪人ガロウから見ても、「見るからに隙だらけなのに、いざ攻めようとすると、付け入る隙が無い」と言わしめている。

体術の素人という弱点を指摘してしばらくは持前の格闘術で対抗してのけたガロウをもってしても、ほんの少し本気を出した(それでも人間*2相手なので手加減している)サイタマ相手にはあらゆる技が通用せず「どうすりゃ倒せんだコイツ?」という疑問を浮かべていた。


ヒーローとしてではなく別の面で弱点を挙げるとすれば、ヒーローになった講習で最低限の聞く態度も取れなかったり、ヒーロー手帳を読まずにいたりと、就職も失敗したことも含めて社会人として非常に不真面目な性格をしており、マナーが求められる就職は絶望的な事
また、3食きっちり食べる事をトレーニングの一環としているが量は人並みなのでフードファイト等には向かない。(うどんの大食いチャレンジでダウンしていた。サイボーグのジェノスは完食。)
ヤングジャンプ本誌での読み切りで他のB級ヒーローと組んで怪人に当たる場面もあったが、そもそも彼一人で全て片付くが故に終始マイペースであり、本人も終わった後に「俺は一人が向いてる」と零している。
一応バイトでの貯金があるが金欠気味らしく、衰弱死や餓死くらいしか彼の生命を脅かすものはないだろうが、弟子が来て同居してくれたお陰でその危険もほぼ失っている(弟子から受け取った生活費にはまだ手を出していないが)。

更に、元より図太い性格故か、本人は超能力に強い耐性を持ち、自分の体や体内に直接作用するタイプの念動力はほとんど効かない。
タツマキと交戦した際も、超能力によって体内をかき乱されたり、ものっそい強さで地面に叩き付けられたり、周囲の瓦礫を纏った巨大な竜巻に晒されようが相変わらず平気。
それどころか竜巻を目の前にして一般人を被害から救出させる余裕すら見せてる。


ほんと何なのこの人。



【必殺技】

  • 普通のパンチ
名称通り、単なるパンチ。
だがサイタマのソレは敵を彼方までぶっ飛ばすかor粉微塵にするか、とエゲツない威力。
ある意味、サイタマと本作の象徴的技。

  • 連続普通のパンチ
オラオラばりに普通のパンチのラッシュを浴びせる技。威力は推して知るべし。
両手だと更にスピードが跳ね上がり、突きの速さ比べで怪人として覚醒したガロウを正面から圧倒した。


【必殺"マジシリーズ"】

  • マジ殴り
サイタマの切り札の一つ……と言っても、単に本気で殴るだけ。
なのだが、星の表面を消し飛ばす光線を容易く吹き飛ばす程の破壊力を誇る。

  • マジ反復横跳び
本気で反復横跳びしつつ前身して相手を通り過ぎるだけ。
しかし、数え切れないほど残像を残し、生じた衝撃波だけでS級ヒーローレベルの相手を気絶させることができる。

  • マジちゃぶ台返し
地面に両手の指を突っ込み、本気でひっくり返すだけ。
その規模は範囲内の地盤を丸ごとひっくり返すことでS級ヒーローのゾンビマンが「黒い壁」と形容する程の破壊を齎し、大量の瓦礫が空高く舞い上がる。
巻き込まれた相手は数秒では着地しない程の高度に飛ばされ、上下の感覚を狂わされる。

  • マジ頭突き
本気で頭突くだけ。
すぐに再生したとはいえ、普通のパンチでは、あまり破壊出来なかったガロウの右腕を完全に粉砕した。 



人間関係

師弟関係。と言ってもサイタマが明確に何か指導しているわけでもないが。
役に立つかわからないような師匠の言葉をいちいち生真面目にメモっている。


ヒーロー仲間。プライベートでも付き合いがある友人。どちらとも等身大の人となりと戦闘力を知っている仲で、互いに最大の理解者で、立場と力でカバーもし合っている。
劇中、サイタマを明確に負かしている人物ゲームでだけど
サイタマは何度もTVゲームで挑んでいるが、その度にキングに返り討ちにされている。


  • 地獄のフブキ
B級1位のヒーロー。B級内で自らの派閥「フブキ組」を作り、B級内トップの地位を確保している。
B級に昇格したサイタマを派閥に取り込もうと動くが、あっさり断られ、報復も圧倒的実力差と音速忍者の乱入で失敗。
S級と普通に話すサイタマを見て「自分も仲間に入りたい」と感じ、勝手にサイタマを「フブキ組の特別枠」と扱っている。


自称サイタマのライバル
速さに自信を持ち、その動きを見切ったサイタマに挑み続けては毎回返り討ちにあっている。



【以下ネタバレ】








劇中に出てきたジーナス博士によれば、サイタマの強さの秘密は「生物の持つ成長の限界『リミッター』が外れているから」らしい。
リミッターを外すには限界を超えるほどに自分を追い込む必要があり、上記の三年間の鍛練で外れるようなものではない。
では、なぜ外れているかというと、サイタマは三年間の鍛錬に加えて、その合間に怪人が出ると生身で只管戦いを挑んでおり、その戦いを通して外れていったと思われる。
サイタマが語った特訓内容も、厳密には自身も血塗れになる程の怪人との死闘を繰り広げながら、上記のトレーニングを一日たりともサボらず自主的にこなすという超ハード訓練。本人曰く「足が重くなっても、腕がプチプチと変な音を立てても腕立てを断行した」
しかし、サイタマ自身は、特訓で力を得たと思っており、怪人との戦いを他者に語ったことはない。
それが語られるのは村田版の回想編や、キングの過去描写くらいのものである。



【余談】

彼はヒーロー活動の際、どこぞの顔が美味しいヒーロー達のように思わせぶりなマントの着いたコスチュームを身に纏うが……


飛べない。


ので現場への移動手段は専ら徒歩。
とはいえ、足が速いため、特に苦にはなっていない模様。
作中で飛行している様に見えるのは、身も蓋もなく彼の凄まじい脚力によるジャンプである。

劇中に出てくるヒーロー協会は上記の助けた子供の祖父がサイタマの行動に感動して私財を投じて設立した。
ただし、サイタマはその存在を物語途中まで知らず参加もしてなかった。
S級1位のブラストは未だその正体が一切不明の為、実はサイタマのことではないかとファンの間で実しやかに言われていたが、タツマキの記憶の人物像や経緯から別人であると推測される。
ちなみにヒーロー協会から付けられたヒーローネームは彼が懸念していた、見た目そのままの「ハゲマント」であった。


「いいか。大切なのはこのハードな項目作成が出来るかどうかだ」

「項目立て100回。追記回数100回。修正回数100回。これを毎日やる!!」

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