東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

外国人労働者、受け入れる心は 川崎の劇団「民芸」 向き合う夫婦描く

本番に向けけいこをする劇団員たち=川崎市で

写真

 新たな在留資格「特定技能」が新設され、今後五年間で最大三十四万人余りの受け入れが想定される外国人労働者。これをテーマに川崎市の劇団「民芸」は二十六日から、東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターで「異邦人」を上演する。作・演出は社会派劇で知られる中津留章仁さん(46)。「来日するのは『労働力』ではない。私たちは人格を持った人間として受け入れる準備ができているか」と問い掛ける。 (五十住和樹)

 舞台は地方の小さな町で夫婦が経営する食堂。近くの工場や農家が技能実習生を受け入れるようになり、ベトナム人が増えてきた。夫婦の息子が知人のベトナム人から教わり、ベトナムカレーをメニューに加えようとする。「ゴミ出しのルールを守らない」などとよい印象を持っていなかった夫婦が、ベトナム人たちと向き合うことで変わっていく姿を描く。

 中津留さんが同劇団へ書き下ろすのは二度目。外国人の力を借りないと回っていかない業種が多い現実を背景に労働者を受け入れる法整備が進んだが、生活者としての外国人を守る視点が欠けていることが、今回の劇作の動機になった。「日本人が敬遠するきつい職場に外国人は多い。社会にどうなじんでいくか、日本人の精神的な準備が問われていると思う」と話す。

 公演は十月七日まで。入場料は一般六千三百円、夜公演は四千二百円。問い合わせは同劇団=電044(987)7711。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】