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《NGT裁判速報》被告男性が山口真帆と”私的つながり”主張「マンション廊下などで会い衣服やアクセサリー等を贈った」

 NGT48の元メンバー・山口真帆(24)に対する暴行事件をめぐり、運営会社「AKS」が暴行容疑で逮捕(不起訴)された男性ファン2人に対して3000万円の損害賠償を支払うよう求めた裁判で、9月24日に裁判資料の一部が開示された。

山口真帆(NGT時代のHPより)

 AKS側が提出した証拠の一覧には、NGTメンバーの名前の一覧やそれぞれのメンバーへの誹謗中傷の書き込み、第三者委員会の報告書のコピー、劇場公演やツアーが中止に追い込まれた総額1億円以上にわたる請求書のコピーと共に、事件の経緯が書かれたブログ、新潟日報の記事や女性週刊誌の記事も添えられていた。「週刊文春」の記事は添付されていなかった。

 一方、被告側は、提出した22枚にわたる「被告ら第一準備書面」(※以下、準備書面)で、山口への暴行の事実はなく、かつ被告らの行為と原告の損害には因果関係がない、そして、山口と被告の間には私的な“つながり”があったと主張している。準備書面は、A氏(※準備書面では「被告1」と表記されている)と山口の関係性をア~オの5項目にわたって、以下のように記述している。(※は編集部註)

ア メンバーとファンに関する原告の決まり
原告は本グループのメンバーがファンと私的に連絡を取り合うことや原告の従業員を介さずに私的プレゼントを受け取ることなどを禁止していた。原告では上記の禁止に違反したメンバーについては相応の処分をすることもあり、また、禁止に違反したファンについては原告が主催するイベントに参加させない処分をすることがあった。

イ 被告1が山口氏につながりを持つことを求め山口氏がこれに応じたこと
被告1は平成29年2月か3月頃に開催された握手会に出席し山口氏と会話をした。被告1は上記機会に山口氏に対し「運営を介さずにプレゼントを贈ったりしたいので、私的に会ってほしい」と頼んだ。山口氏は被告1の上記求めに応じ私的に会うことを承諾し自己が居住しているマンションの名前を告げるとともに自己が本件マンションの●●●号室に住んでいることを教えた。また、山口氏は被告1からのメッセージを直接やりとりしたいとの希望を聞き入れ被告1に対し、山口氏が使用している携帯番号●●●ー●●●●ー●●●●(※書面では一部が実際の番号)を教えた。また、被告1と山口氏は被告1のツイッターでダイレクトメッセージをやりとりできるようにした。

ウ 被告1が本件マンションの一室を賃借したこと
被告1は山口氏から本件マンションの名前を教わったことから平成29年4月頃自らも本件マンション●●●号室(※山口が住む部屋とは別の階)を賃借し同室に転居した。

エ 被告1と山口氏のつながり
その後、被告1は山口氏との間でダイレクトメッセージをやりとりし山口氏から次のライブで歌う曲の曲名を教わったり、山口氏が受けているレッスンの状況を教わったりした。また被告1は、山口氏と本件マンションの廊下などで会い衣服やアクセサリー等のプレゼントを贈ったりした。被告1と山口氏とのつながりは上記の程度のものであり、一緒に食事をするとか、相手の部屋で面会するなどのつながりはなかった。

オ 山口氏が被告1にダイレクトメッセージを送信しなくなったこと
エ記載の被告1と山口氏のつながりは平成29年秋頃まで続いており、被告1はこのような状況に満足していた。しかしながら平成29年秋頃から山口氏は被告1がダイレクトメッセージを送ってもこれ1つ返信してくれなかった。

事件をめぐる人物相関図 ©文藝春秋

 山口とのやり取りが途切れた後も、A氏は大量の握手券を購入し、10月、11月の握手会で山口との接触を図ったと主張している。準備書面には(1)~(3)の記述がある。

(1)握手券の入手
被告1は山口氏に送信したダイレクトメッセージに対する返信をもらえなくなったため、山口氏の機嫌が悪くなったのではないかと不安になり、その理由を聞きたいと考えた。握手会は1000円の握手会1枚について10秒間メンバーと接触できることとなっていたため、被告1は平成30年春頃までに80万円を工面して握手券800枚を入手した。(8000秒=約2時間13分)握手券は半年先までの握手会において使用することができる。被告1が入手した握手券はその大半が振替券であった。

(2)被告1が握手会で山口氏と会話することができたこと
被告1は平成30年10月頃に開催された握手会に行き、入手した800枚の半数400枚を使用して、会話することを申し込んだ。握手会では、当該握手会用の握手券と振替券では前者が優先することとなっており振替券を大量に使用するためにはメンバーの同意が必要となっていた。山口氏は平成30年10月頃に開催された握手会においては、400枚使用することを拒まず、また11月頃に開催された握手会においても被告1が約400枚の振替握手券を使用することを拒まなかった。

(3)被告1と山口氏との会話内容
ア 山口氏がダイレクトメッセージを送信しなくなったことの会話
被告1は山口氏に対しダイレクトメッセージに対する返信をしてくれなかった理由について質問した。これに対し山口氏はI(※メンバーの名前)から「被告1とG(※メンバーの名前)とが私的領域でつながっているらしい」と言われた。Iから「山口さんも被告1と私的領域でつながっているんでしょ」と言われた。噂になったら困る、F(※メンバーの名前)はファンとつながっていたことがばれて処分を受けたので私も怖いと説明した。
被告1は山口氏の説明を聞いて山口氏は「山口氏を熱心に応援しているファンであるはずの被告1が山口氏以外のメンバーであるGとも私的領域でつながっているのではないか」との疑念を持ち被告1に不信感を持っていると感じた。
また、被告1は山口氏の説明を聞いて山口氏は「被告1がGなどの他のメンバーに対し、被告1自身が山口氏と私的領域でつながりがあることを仄めかすなどをしたため被告1と山口氏との関係が他人に知られるのではないか」と懸念していると感じた。
被告1はGとつながりを持ったことはなかったし、他メンバーに対して被告1と山口氏とつながりを持っていることを仄めかしたこともなかった。そこで被告1は山口氏に対しGとつながりをもっていないこと、被告1と山口氏との関係を口外してないことを説明した。
イ その他の会話
被告1は、2回の握手会において、上記ア記載の会話以外にも、山口氏が「自宅で使用している乾燥機の性能が悪く、洋服の洗濯が間に合わない」と言ったのに対し、被告1が「本件マンションの廊下に設置されている住民用の衣類乾燥機を使えばいいじゃない」などと、被告1と山口氏の双方が本件マンションに住んでいることを前提とする会話をした。
 また、被告1が上記にように言ったところ、山口氏が「アイドルなんだから、廊下の乾燥機を使うわけにはゆかない」と答えたのに対し、被告1が「それなら、僕が新しい乾燥機を買ってあげるよ」等という会話もした。
 また山口氏は、被告1に対し、J(※メンバーの名前)のことについて、「Jは、私がパパ活(パトロンを見つけるための活動の意味)をしているという噂を流している。Jは、マネージャーとべたべたしている」、「Jは合コンに行こうとしている。Jは外面が良いだけで、悪い女だ」等とも話した。そして、被告1は山口氏が「応援してくれるのはありがたいし●●(被告1の愛称)のことは嫌いじゃない。助けてくれるのはうれしいけど、噂もあるからやっぱり不安だ」などと言ったことから「本当にGとはつながっていないから信用できないというのなら今度説明に行くから」と言うなどした。

新潟地裁 ©文藝春秋

「週刊文春デジタル」では、山口が所属する芸能事務所「研音」に被告側が主張する犯行グループとのつながりなどについて事実確認を求めたが、「そのような事実はありません」と回答した。 

 こうした流れの中で12月8日、A氏は山口に対して、山口の部屋の前で直接接触することを決意したと、準備書面には事件に至る経緯が綴られている。「週刊文春デジタル」で公開している事件当日の”公園音声”では、山口の部屋番号を知った経緯などについて、被告側は違った説明を山口にしている。今後の展開としては10月28日、非公開で弁論準備手続が行われる予定だ。

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