9回、空振り三振に倒れ、ファンの声援に応える阿部(撮影・北村雅宏)

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 「阪神-巨人」(24日、甲子園球場)

 今季限りで引退する阿部慎之助捕手が九回に代打で登場した。

 敵地である甲子園の虎党も球界を代表する捕手のラストゲームに大歓声を送った。

 出番は0-5と大量リードを許した九回。マウンドには虎の守護神・藤川。初球は高め148キロに空振り。2球ボール後には、右翼ポール際へあわやHRかという大ファウルを放った。最後は146キロにバットは空を切った。

 球界を代表する2人の全球直球勝負に甲子園は大盛り上がり。スタンドのファンだけでなく坂本勇、岡本ら巨人ナインも身を乗り出して、その光景を見守った。

 空振り三振に倒れた阿部は藤川に敬意を表すようにヘルメットのひさしに手をやり、その後はヘルメットを取って、ファンの歓声に応えた。ベンチ前で一礼して引き揚げる姿にファンからは万雷の拍手が送られた。

 ベンチスタートとなったこの日は、出番を迎えるまでベンチの最前列で戦況を見つめ、選手たちに声をかけるなどチームを鼓舞した。

 阿部は23日のヤクルト戦で6号ソロを放ち、試合後、チームメートに引退を伝えていた。25日には都内で会見を行う。

 19年目の今季は6月に捕手として史上3人目の通算400本塁打を達成。この日までに92試合に出場し打率・299、6本塁打、26打点。