小川彩佳(C)日刊ゲンダイ

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【テレビが10倍面白くなるコラム】

女優に初挑戦 有働アナに後輩アナたちが追いつけないワケ

 テレビ朝日に三くだり半を叩きつけ、まさに鳴り物入りでTBS系「news23」(月~木曜午後11時、金曜同11時半)のキャスターに起用された小川彩佳だが、スタートして4カ月、どうしても日本テレビ系「news zero」(月~木曜午後11時、金曜同11時半)の有働由美子に勝てない。

 夜の報道番組の女性キャスター対決は、テレビ朝日系の徳永有美「報道ステーション」が視聴率13%台でダントツ、「news zero」が7~8%台、「news23」は4%台と大きく水をあけられていて、振り返るとテレビ東京系の大江麻理子「ワールドビジネスサテライト」(月~金曜午後11時)が2%台後半で迫り、あとはカヤの外のNHKの井上あさひ「ニュースきょう一日」(月~金曜午後11時20分)しかいない。

「報ステは無理でも、せめて『zero』抜きを」と期待されている小川にしてみれば、この数字は本人も不甲斐ないと思っていることだろう。

「zero」と「23」では何が違うのか。放送の曜日も時間も同じ。この日に取り上げたニュースは、どちらも「千葉の停電」「あおり運転エアガン男」「香港の民主化要求デモ」「サウジアラビアの石油施設攻撃」と、変わらない。

 違ったのは、出演者の明るさや軽妙さだ。

「ときに軽口を叩き合う有働+桜井翔に対して、小川+星浩はスポーツ情報になるまでニコリともしない。暗いんですよ。それでなくても、政治、経済、国際などお堅いニュースが多いのに、寝る前に新聞の社説みたいな番組は疲れます。小川は美人かもしれないけど、それで損してますね。夜の報道番組の視聴層である中高年には、有働のあの人懐っこさの方がいいんです」(テレビ雑誌編集デスク)

 もうひとつ、微妙な違いがあった。CMの挟み方だ。CM枠は両番組とも13~14分なのだが、「23」はこれを7回、「zero」は9回に分けて流す。「23」は1回2分、「zero」は1分半というのが多く、「zero」はCMにいっても、本編に戻ってくるのが早いというわけだ。

「CMが長いとチャンネルを替えられやすく、『23』はそれが多いのかもしれませんね。『zero』はCMまたぎなど、チャンネルを替えさせない仕掛けが巧妙です。『23』は、そういう小ざかしいことはしたくないということなんでしょうかね」(広告代理店営業マン)

 正統派報道番組を目指しているのは分かるが、もうちょっと肩の力を抜けば、数字も変わってくると思うけどなあ。

(コラムニスト・海原かみな)