22日のカージナルス戦でダルビッシュ有投手(33)が8回途中降板し8敗目。試合後、米メディアの囲み取材があるクラブハウスの本人の名札には、泥でスパイクの跡がくっきりと残っていた。
さらに、普段は大事にしているプロテイン、飲料水ボトルやいすなどが散乱。それらを拾い上げると、いつも通り英語で取材に対応したが、世界の終わりのような表情だった。
「すごくフラストレーションがたまっている。人生でも最悪。(ロッカーの名札を指さし)分かってもらえるよね? 勝たなきゃいけなかった、特にきょうは。なのに、負けた」
今季初の完投を目指し、マドン監督から9回のマウンドに送り出された。「そのときはうれしかった。でも、いまは全てが…とにかく、いまは言葉がない。すみません」。
地元ラジオ局WSCRのツイッターは「ダルビッシュの魂は引き裂かれていた。ほとんど涙を流しそうだった」と伝えた。
米スポーツサイトのジ・アスレチックによれば、もちろんマドン監督も傷心の態だったが、右腕をこう褒めちぎった。
「(野球史は)永遠に続くが、その中でもこれ以上ない最高レベルの投球だった。ダルビッシュは、すごかった。ジェイク(2015年カブスのアリエッタ、現フィリーズ)がサイ・ヤング賞に輝くのを実際に目にしたが、全てがそれと同等だった。球の質、そして制球。絶対的に、もっといい結果になって当然だった」