シンプルに作れるのに本格派!
夏が過ぎ、食欲も挽回してきた今日この頃。きのこを使って食べごたえ満点のリゾットを作りましょう。
要するに洋風おじやでしょ?と思うかもしれませんが、お米から炊いていったリゾットは、なんともいえないおいしさです。水分多めで、お米のポタージュのようなやさしい雰囲気に仕上げます。
煮込み時間は多少かかりますがとても簡単で、鍋ひとつで作れます。食べるときも皿とスプーンだけですから、洗いものが少なくて済みそうです。
秋のきのこのうまみがたっぷり詰まったおいしい一皿。休日のランチなどに、ワインを合わせてぜひどうぞ。
きのこのスープリゾット
材料(2人分) 所要時間約25分
米 120g
きのこ 2~3種を合わせて150g
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1.5
塩 小さじ2/3
胡椒 少々
熱湯 約800mL
作り方
1 きのこを炒める
きのこはいしづきを取って手で細かくさく。にんにくは皮をむいてつぶす。
鍋にオリーブオイル大さじ1とにんにくを入れ、弱火で熱する。
香りが出たら、きのこを加えて中火に切りかえ、4~5分、しっかりと炒める。★1
2 米を炒める
米を加え、オリーブオイル大さじ1/2を足して、2分ほど炒める。★2
3 米を炊く
熱湯800mLを加え、中火で15~18分煮る。★3
米がやわらかくなったら、塩小さじ2/3を加え、味を見て塩で調整する。最後に胡椒を振る。
レシピのポイント解説
・きのこについて
・米の炒め方
・リゾットの炊き方
★1 きのこについて
きのこは、何種類かミックスすることでうまみが複雑になりますが、単品でもよいでしょう。しめじ、エリンギ、まいたけ、しいたけ、ひらたけ、マッシュルームなど、好みのきのこでどうぞ。ただし、なめこはぬめりがあり、焦げつきやすいので避けます。
きのこは、いしづきを落とします。この、根の部分はどのぐらいまで切ればいいの?という疑問がわきますよね。最近ではいしづきがカットされた状態で売っているものもありますが、要するに、汚れた部分、かたい部分を落とせばよいのです。
汚れたところだけ切ればOK
菌床栽培のきのこは、工場のクリーンな環境で作られていてきれいです。このあと加熱しますし、洗わなくても大丈夫。マッシュルームを使う場合は、泥がついているのでさっと洗いましょう。どのきのこも、洗ったときはしっかり水気をふきとっておきます。
きのこは手でさくと、味がしみやすくておいしいです。今回はリゾットに入れるので、気持ち小さめにバラします。エリンギやえのきなど、長いものは短くカットしてからさきましょう。
細かく手でさく。しめじもバラバラに
最初に、きのこをオイルと塩で、水気が飛んでかさが減るまでまで炒めます。
鍋に、オリーブオイルとつぶしたにんにくを入れて、弱火にかけます。にんにくがほんのり色づき、いい香りがしてきたら取り出し(にんにくが好きな方は残しておいて構いません)、ここにきのこをまとめて入れ、中火に上げます。
にんにくは焦げやすいので弱火で
にんにくを取り出したらきのこを加えて中火に切り替える
あまりさわらず、そのまま火にかけていると、どんどん水分が出てきます。
水分が湯気になってどんどん蒸発していく
ある程度きのこのかさが減ってきたら、へらで混ぜ、さらに水分を飛ばすようにします。湯気があまり出なくなり、少しずつ鍋底が焦げ付き始めたら、水分がうまく抜けた証拠です。
混ぜながら湯気を飛ばす
★2 米の炒め方
リゾットは、①お米をオイルで炒める、②水分を加えて煮るというステップで作ります。このレシピではブイヨンも不要ですから、パスタなどよりはるかに楽ちん。お湯だけはたっぷり沸かしておきましょう。
米は洗わず、いきなり油で炒めます。米を洗わないのは粘りを出さないようにするためですが、お米を洗わないことに抵抗がある人はサッと洗ってください。
米は2人分で約3/4カップほど
きのこを炒めた鍋に米を加え、オイル大さじ1/2を足して、中火のまま2分ほど炒めます。
きのこの鍋に米と追加のオイルを加える
米の一部に透明感が出て来たらOK
ここではまだ生米です
★3 リゾットの炊き方
米を炒めたら、沸かした湯800mLを加えて中火で15分ほど煮ます。ふたはしません。熱湯を加えるのは、粘りを出しにくくするため。
本来のリゾットの作り方は、少しずつブイヨンや湯を加え、なくなったらまた追加して煮る…という繰り返しで作ります。湯量が多すぎると対流が起こって米がぶつかり、これまた粘りやすくなるという理由からです。
ただ、鍋につきっきりでみるのはたいへんですよね。ですから、湯はここですべて加えてそのまま炊いてしまいましょう。湯もたっぷり入れ、サラッとしたスープリゾット的な仕上がりをめざします。
熱湯を加えたらこのまま15分ほど、弱火で煮る
途中、あまりかき混ぜないでください。米に粘りが出てしまうからです。ときどきヘラで底から返し、アクが出たらすくいます。タイマーをかけて放置するぐらいで大丈夫です。
あまり鍋はかき混ぜないこと
15分ほどたって米を食べてみましょう。まだ生煮えっぽい感じであれば、さらに加熱します。
芯がのこっていないか確認
米が柔らかくなったら塩で味をつけ、火を止めます。器に盛りつけ、こしょうをふって、食べましょう。
夜遅くの食事にも、罪悪感なし
リゾットのよさは、一皿で食事が完結するところ。お米は少なくても水分でふくらむうえ、きのこでかさ増しされるから、満足感が高いのです。きのこはローカロリーで繊維質も多く、ミネラルも多く含まれます。夜遅くに食べても罪悪感がありません。ひと鍋で料理がすんでしまうのも、とても気楽ですよね。
きのこはうまみが強いので、オイルと塩だけでも十分なおいしさですが、粉チーズを直卓でかけるのもよいものです。粉チーズなどをしっかりふると、コクが出てさらにおいしくなります。
最初にお話したように、きのこは数種類混ぜるとうまみが複雑になりぐっとおいしくなります。残ったきのこはバラバラにしてポリ袋などに入れ、生のまま冷凍して保存できます。常備しておけば、いつでもおいしいリゾットが食べられるというわけです。ぜひやってみてください。
【アレンジ】ボリュームアップで食欲の秋!
リゾットは基本の作り方を覚えてしまえば、パスタのように、さまざまに具を追加したり変えたりして、目先を変えられます。今日はきのこのリゾットをベースに、さらにボリュームアップさせるアレンジをふたつ紹介します。
きのこベーコンリゾット
ボリュームを手軽に出したいならやはり肉。ベーコンを入れたリゾットです。ここでは別のフライパンでカリッと焼いた刻みベーコンを、できあがったリゾットに混ぜ込みました。きのこを炒めるときに、ベーコンを一緒に加えて炒めてもいいですね。
中華きのこリゾット
オリーブオイルをごま油に変えるだけで、がらりと風味が変わります。塩を減らして最後に醤油を少し加えましょう。卵の黄身を中央に落として、混ぜながらいただきます。