秋季高校野球石川県大会は21日、金沢市の金沢市民球場などで準々決勝を行い、今夏の甲子園大会で準優勝した星稜が遊学館に10―1で7回コールド勝ちで、5季連続の甲子園出場へ前進。星稜は今秋のドラフト1位候補・奥川恭伸投手(3年)から背番号1を引き継いだ荻原吟哉投手(2年)が7イニング1失点と好投した。
「調子はあまりよくなかったけど、要所を締めることができました」。“奥川の一番弟子”の異名に恥じない好投だった。荻原は今夏までのエース・奥川が「頼もしい」と信頼し、甲子園大会では2試合に先発した好投手。背番号1のバトンを渡された後には「自分の投球をすれば負けないから」と励まされていた。
奥川のような剛球でねじ伏せるタイプではないが、変化球の精度を含めて総合力でも打者を翻弄(ほんろう)。「期待をかけられるけど、そのプレッシャーを楽しむ」。奥川からエースの称号を託された右腕は、ミットを目がけて納得いく球を投げ続けた。
最初の目標は石川県大会優勝。その先の道のりもしっかり見つめる。「石川で優勝して北信越大会にいかないといけない。何が何でもあと2つ勝ちます」。願いをかなえるため、荻原は全力で右腕を振る。(川越亮太)