愛知では愛工大名電と中京大中京が決勝に進出し、秋季東海大会出場を決めた。愛工大名電は豊川に13―2で5回コールド勝ち。1年生エースの田村俊介投手が5イニング5安打2失点、打っても3安打1打点と活躍した。
愛工大名電の最速140キロ左腕・田村がエース、3番打者として投打にフル回転した。秋季東海大会出場が決まり「一戦一戦、勝っていきたい」と目標とする来春センバツを射程にとらえた。
打線が1回に3点を先制。だが田村も立ち上がりに直球を狙われ、四球と3連打で2点を失った。「連打は想定外。でも、追いつかれずに、2点で止めたのが良かった」。2回以降は緩急を使った投球にシフトチェンジ。変化球を振らせて、好機をつくらせなかった。
打線の援護を受けて、8回コールド勝ちした準々決勝の中部大春日丘戦に続いて、2日連続で完投。倉野光生監督(60)は「四死球がないし、打たれても単打。守備の安心感が攻撃につながっている」と田村の投球の相乗効果を指摘する。
今夏の愛知大会は4回戦で敗退。甲子園では同じ1年生の仙台育英・笹倉らが脚光を浴びた。中学時代に笹倉と対戦したことがある田村は「目の前の一試合一試合が大事。同学年が甲子園に出たことは関係ない」とマイペースを貫く。
決勝の相手は強打の中京大中京。「最少失点に抑えたい」。まずは愛知の頂点に立ち、来春センバツに近づく。(麻生和男)