Windows7サポート終了でどうなるのウソ、継続利用、使い続ける
2020/7にWindows7サポート終了ということは事実なのだが、「サポート終了するから危険になる」だから「パソコンを変えてOSを新しくせよ」というのは全くのウソなので注意されたい。
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何が危険になるのかの原理説明が無い
まず、こういうウソを流布している方々というのは、Windows7のサポート終了で一体何がそんなに危険になるのか、その原理を一切説明していないのだ。
原理を説明できない理由というのは、危険になるからではなく、「危険性」を煽りたいからである。できる限り危険性を煽り、買い替えさせたいという業界の目論見なのである。
こうした目論見はこれまでもずっと行われてきた。Windows 95, 2000, XP, Vistaなどなど、その都度その都度業界ぐるみでこういったウソを撒き散らし、ユーザの買い替え需要を狙ってきたのである。
こういった業界の消費者工作に騙されてはいけない。
危険性を煽るギョーカイの試み
ユーザに危険性を煽り、買い替えさせようというギョーカイの試みは多数ある。
例えばNECだ、すぐに始めるべきWindows 7 サポート終了対策~移行ターゲットはWindows 10。今から準備すべきこと~
Windowsに限らずあらゆるソフトウェアには、ほぼ例外なくセキュリティ上の脆弱性が潜んでいる。従って新たな脆弱性が発見された場合でも、サポートが終了しているので、修正されることなく放置されてしまう。結果としてそのPCは、常にマルウェア感染や不正アクセスの脅威にさらされることとなり、悪意の第3者に乗っ取られて犯罪の踏み台にされる、重要な情報が盗み出されるといった危険性が高まるのだ。万が一にもサポート終了したソフトウェアを搭載したPCから顧客の個人情報などが漏えいして相手に損害を与えてしまった場合、自らの責任を免れることはできない。重大な過失を問われ、巨額の賠償金を請求されるとともに、自社の信用も一気に失墜してしまうことになる。
というのだが、全くのウソである。
例えばパソコン工房だ、Windows 7 サポート期限迫る!乗り換え徹底解説 | パソコン工房 。
例えば、これまで提供されていた「セキュリティ更新プログラム」が延長サポート終了後は配信されなくなるため、セキュリティ面に不安がでてきます。また、公式サポートの問い合わせ対応においても、受け付けてもらえなくなります。延長サポート終了後も利用し続ける場合は、リスクも承知のうえで利用するという覚悟が必要になります。
これも全くのウソだ。
業務用パソコンは全く危険ではない
さて、どんな危険があるのか?まず第一に考えられるのは「ウイルスが侵入する」であろう。それ以外の危険性というのは思いつかないのだが。。。
この反論としては、ネットに繋がなければウイルスは侵入しない、ということだ。
あるPCについて業務用のソフトを使用し、ブラウザ等でネットを見なければ何の危険性もありはしない。誤解しないようにしてほしい。
これに対する反論としては、「LAN内の他のパソコンでウイルスに感染するかもしれない」というものがあるかもしれない。
しかし、それが勝手に入り込むことはありえない。現代のパソコンはファイアウォールが備わっており、外部から勝手にウイルスが侵入する余地は全く無いと断言してよい。
※しかし、Windows2000時代には、いつもながらのマイクロソフトによる欠陥により、そういうことがあったにはあったのだが。
ネットに接続しても全く危険ではない
では、ネットに接続すれば危険かと言えばそうではない。
もちろん、マイクロソフト製のInternet Explorer(IE)のようなバグだらけのソフトを使っていれば危険はあるかも知れないが、FirefoxやChromeなどは常にアップデートされているのである。Windows7の更新がなくとも、それとは無関係にFirefoxやChromeは自動更新される。
したがって、Internet Explorerを使わずに、これらのブラウザを使う限りでは何の危険性も無い。勝手にウイルスがダウンロードされることなど100%無いと言い切れる。安心してほしい。
IEなどを使わず、FirefoxやChromeでネット閲覧を行い、ダウンロードしなければ100%危険性は無い
ダウンロードしても全く危険ではない
では、何らかのソフトをダウロードしたら危険かと言えば、これも当てはまらない。
なぜなら、アンチウイルスソフト(もし入れているなら)も日々自動更新されているからだ。こういったアンチウイルスソフトでは、ダウンロードしたプログラムをダブルクリックで起動しようとしたその時にその実行をストップしてしまう。
だから、これについても危険などはない。
常に更新されているアンチウイルスソフトがあれば、ほぼ危険性は無い
ただし、標的型攻撃は、サポートがあろうがなかろうが無関係
しかし標的型攻撃というものがある。つまり、一般的なアンチウイルスソフトに知られていない特別なウイルスをごく少数の場所にメールなどで送りこむという方法だ。
これについてはWindowsのサポートがあろうがなかろうが無関係だ。バリバリに更新されたWindows10であろうが防ぐことは絶対にできないのである。くれぐれも誤解なきよう。
これについては、「見知らぬ人からのメールを開いてそのプログラムを実行したりしないこと」という回避策しか存在しない。十分注意されたい。
まとめ
- 業界ぐるみの「Windows7は危険になる」に騙されてはいけない
- IEなどを使わず、FirefoxやChromeを使うべし
- 日々更新されるアンチウイルスソフトを入れるべし
- 標的型攻撃には最新OSであろうが無力であり、サポート有無には関係無い
Windows7は使い続けられるのだ。騙されないようにしていただきたい。
ギョーカイはパソコンを買い替えてもらいたいのである。Windows7サポート終了においては、そういったギョーカイの意図を見破ることがまず第一に重要な点だ。
ここを読んだギョーカイの方にお願いする
私の言うことが間違っているのであれば是非指摘してほしい。反論してほしい。
しかし反論などできないはずだ。ギョーカイとしてはとにかくパソコンを買い替えさせるという目的を追求しているだけであり、それ以外の理由など無いからだ。
しかし、ほとんどの方は「危険だと言われているから」程度の認識だろう。何が危険になるのか、その原理など考えたことも無いからだ。その程度の方々なのである。これについても反論などできやしないだろう。いい加減に一般消費者を騙すのはやめたらいかがか?
追加:それでも不安な方へ
それでも不安が消えないという方は、Windows10にした方が良いだろう。Windows10はそれほど「重く」はなっていないので、Windows7マシンでも十分快適に動作させられると思われる(Windows7上で快適であるならば)。
※これまでのWindowsのアップデート事情というのは、より重く、より速いパソコンを要求するものだったのだが、そしてそれがパソコンメーカーにとっても好都合(ユーザにマシンを買い替えさせるという目的)だったのだが、Windows10はタブレットをターゲットにしているだけあって、それほど重くはなっていない。しかしもちろん、デスクトップユーザにとっては、Windows7に比較すると、Windows10はひどく使いづらいことは覚悟する必要がある。
しかし普通に買ってはいけない。例えば、ごく普通の「正規版」なるものを買うと1.5万以上はする。こんなバカげたものを買う必要はない。
MicrosoftによるWindowsの商売やり方というのは、MSDOS時代からそうなのだが、パソコンにバンドルする、つまりOEM供給するというものだ。このやり方のマイクロソフト側の旨味としては、「Windowsに責任を持たなくて良い」ということである。OEM供給しており、自社の製品では無いのだから、マイクロソフトには責任は無いのである。それとまた、OS供給を支配することによりハードウェアメーカーや販売店を支配するということだ。
しかしその一方で、NECやらパソコン工房やらの「マイクロソフトからOEM供給を受けているマイクロソフト言いなり奴隷」達がこぞって、マイクロソフトのお墨付きを得た上で「Windows7の危険性」を煽っているのである。このあたりをきちんと見る必要がある。こういった連中が奴隷状態になった経緯にはとても長い歴史があるだが、ここでは書ききれないし、その資料となるものも今現在は消失の一方である。
ともあれ、Windows(古くはMSDOS)がいくらバグだらけであろうが、OEM供給先の富士通なりDELLなりIBM(Lenovo)なりがその責任を持たねばならないという形なのである。実際、マイクロソフトにWindowsの不具合を電話問い合わせしたところで、「メーカーに聞け」と門前払いされてしまうのがオチだ。
つまりは、一言でWindowsというが、これには二種類ある。NECのマシンのWindowsは、マイクロソフトのWindowsとは別物なのである。もし、NECのマシンのWindows7のサポートが切れるというのであれば、その責任はNECにある。NECは全国の利用者にお詫びしなければならないはずなのだが、その責任を知らんぷりして「Windows7のサポートが切れるので危険になります」などとは片腹痛いというものだ。
したがって、マイクロソフト正規版というものは、マイクロソフト連中が「責任を持つ」という前提で売られているものであり、バカ高い値段がつけられている。
その一方で、「ハードウェアにくっつけた形で」売られるものは、かなり安くなる。その「ハードウェア」なるものが、USBメモリ一つであっても良い(DSP版と呼ばれるようだ)。もちろんこれはマイクロソフト「純正」ではないのだが、安さを求めるならその方がベターだろう。
ともあれ、このように一口にWindowsと言っても、その責任の所在というのは異なるものなのである。本来は「NECのWindowsは」、「富士通のWindowsは」と区別せねばならないはずなのだが、各社ともにその責任を放り出し、消費者に押し付けているのが現状である。
さて、もっと良い方法としては、現状のWindows7マシンにはLinux等を入れてしまい、新たに中古のWindows10マシンでも購入すればよい。1.5万以上もWindowsパッケージ購入に費やすなら、中古のデスクトップを購入した方がマシだろう。
さらに追加:笑止な反論について
コメント欄で「ゼロデイ攻撃というのがあるじゃないか」とコメントされた方がいたのだが、笑止だ。まるで「Windows10にはバグが無い」との前提であるかのようだが、Windows10にも(Windows7と同様に)バグは存在する。既知で修正されたものもあるし(しかも、ファイルに書き込めなくなるという、OSとしてはありえないバグだ)、あるいは今後もバグは発覚していくことだろう。もちろんWindows7にも、まだまだバグは残っているだろう。
結局のところ、何を選ぼうがバグは存在する。
多くの人がこのことを認識していないと思われるが、ハードウェア(冷蔵庫や医療機器や航空機といったもの)にバグがある場合には、メーカーはその責任をとらねばならないのだが(製造物責任法等)、しかし「ソフトウェアオンリー」の場合には、彼らは責任をとらなくても良いことになっている。
Excelを使って会計を行ったら、バグのために計算値が間違っていて大損害を被ったという場合にも(実際にExcelにはそういったバグが存在した)、彼らは責任などとらなくて良いのである。
これは、いにしえの昔に米国において、ソフトウェアロビーが政治家や議会に働きかけた結果であり、これを日本でも踏襲している。
したがって、現代のソフトウェア企業の出すものは「バグがあるのが当たり前」だ。そういった状況で競争に勝つには、ライバルに先んじるには、ソフトウェアの徹底的な検証など行う暇など無いのだから、バグがあるのが当たり前のことになってしまっている。
だからこそ、Windowsは「Windowsアップデート」などという名称でバグ修正を行っているのである。そして、そもそも「バグだらけのソフト」を売りつけておいて、「Windows7にはバグがあるかもしれませんから、危険になるかもしれません」などとは片腹痛いというものである。
そして、先に書いたように「Windows10にはセキュリティバグなどありません」などとは言えないのである。悪い連中がいつそういったバグを見つけて侵入してくるか、そんなことは無いのかは誰にも断言できない。
実際に、Wikileaksという告発団体が二年ほど前にVault 7という機密文書を公開したことがあったが、これは何かと言えば、Apple製品、マイクロソフト製品、Samsungのテレビ内蔵のソフトウェアなどに含まれるバグを、CIAチームが見つけCIAがそれを利用してユーザのスパイをしているという文書だった。
このように、ある程度の予算のある「悪い連中」というのは、いくらでもバグを見つけ出し、それを利用するものなのである。
ちなみに「ゼロデイ攻撃」というのは、世間的には全く知られていないバグを利用してある日一斉に攻撃することだが、こんなものはWindows10だろうがWindows7だろうがMacOSだろうがiOSだろうがAndroidだろうが全く何の違いも無い。バグは必ず存在するし、悪い連中はそれを見つけ、ある日一斉に攻撃するということだ。
以上に反論できるのであれば、ぜひとも反論していただきたいと切に願う。理にかなった反論があるのなら意見を変えても良いのだが、今のところお話にならない反論しか無いようだ。したがって、上の意見を変えることは無い。