社内はビクビク…『日本経済新聞社』が報じない3年目記者の自殺
『日本経済新聞社』の長谷部剛専務が「働き方改革に本腰を入れる。我々の頃と時代が変わった」と記者を前に檄を飛ばしたのは、今年2月のことだ。それ以来、記者の夜回りを制限し、「残業を減らす為に締め切り重視を徹底する」として、抜本的に労働時間を削減する方針を取ってきた。そんな中、日経幹部を震え上がらせる事態が持ち上がった。「千葉支局で勤務していた24歳の男性記者・Aさんが、10月中旬に亡くなったのです。総選挙取材の真っ最中、支局に出勤しなかったことを不審に思った上司が、自宅で遺体を発見。自殺とみられています」(日経新聞関係者)。Aさんは早稲田大学を卒業後、2015年に日経新聞に入社。東京本社の整理部で勤務していたが、10月に千葉支局に異動。「取材現場に出してほしい」という本人の希望だった。
初めての現場記者生活。苦労が絶えなかったことは想像に難くない。「日経の千葉支局は現場記者が3人しかいません。支局長は政治部出身。丁度選挙取材の時期で、新人に近いAさんにとっては大変だった筈です」(他紙の千葉支局記者)。大学時代の映画サークルの友人が言う。「副幹事長を務め、責任感も強く、映像編集の腕も良かった。1年半前に一緒に酒を飲んだのが最後です。亡くなったのが今でも信じられない」。『電通』や『NHK』のような過労死、或いはパワハラが引き金ではと日経社内にも動揺が走ったが、記者勤務は2週間程度だったこともあり、真相は藪の中だ。日経記者の1人は言う。「千葉支局を統括している地方部が、異様なまでの箝口令を敷いている為、社内でも却って憶測を招いています」。愛知県名古屋市にあるAさんの実家を訪れたが、父親は「何も申し上げることはありません」と憔悴した表情で答えるのみだった。日経新聞広報室は「社員に関わる情報は、この件を含めて公開しておりません」とした上で、「Aさんの勤務時間は厚生労働省の過労死基準を超えていなかった」と回答。それが理由なのだろうか、Aさんの死が日経新聞で報じられることはなかった。
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