柳が安堵の11勝目。逆転ＣＳへ望みつなげた　燕に雪辱、６イニング２失点の好投

　絶対に負けられない試合。いつも以上の緊張感がある中でチームを勝利に導いてこそのエースだ。柳が、３位・広島との２連戦の前のヤクルト戦で６イニング２失点。試合後には今季１１勝目を挙げた喜びよりも、安堵（あんど）感をにじませた。

　「何としても勝ちたい気持ちでマウンドに上がりました。個人の成績よりもチームが勝つことができたので結果的によかったです」。出し惜しみなく飛ばしていった。初回はわずか７球で三者凡退。４回にソロで失点したが「大量失点はしない」と最少失点で切り抜け、５回にも１点を失ったが連打は許さなかった。

　走者を出しても、失点しても、気持ちを引きずらなかった。１４日にナゴヤドームで見届けた大野雄の無安打無得点試合の偉業。「ここ一番での集中力がすごい」と普段から世話になる先輩の姿に感銘を受けた。「一球一球、頭を使って精いっぱい腕を振って投げた」とこの試合でもここぞの場面で集中力を発揮し、相手の流れをせき止めた。

後輩からもいい刺激を受けている。この試合までの３連勝で先発してきたのは山本、梅津、小笠原と自分よりも年下の投手たちだった。「自分でこの流れを止めるわけにはいかない」。先輩としての意地をみせた。