名古屋グランパスの風間監督(男)とクラブ(女)を男女の恋愛関係に置き換えると、解任劇は分かりやすくなると思う。指揮官の掲げる攻守一体の攻撃サッカーは川崎時代(2012途中~16年)から同じ。布陣にこだわらず自由度が高い分、実現には時間を要する。
クラブは男・風間八宏を分かった上で告白。交際はスタートした。だが、付き合うのに金がかかった。クラブは親(トヨタ自動車)に掛けあって、補強費と言う名の交際費を捻出した。同社出身の小西社長は「風間は素晴らしい。風間のやりたいようにさせる。それが私の仕事」と断言。死なばもろともの精神だった。
娘の親が交際状況を知れば、それが転機となる。トヨタ自動車側からすれば、娘から交際費をねだられ続ければ、健全な男女関係なのかと首をかしげたくもなる。
男は変わらなかった。明るい未来を約束する話術にも長けていた。うぶだがプライドの高い女は、男のすべてを受け入れることで自らを肯定し、親を納得させる材料になると信じていた。恋は盲目。女は男を、さらにいい男にしたいと願って金をかけ続けたのだ。
親は娘の幸せが1番。金が絡む以上、可愛い娘を応援するだけではいられない。J2降格などあってはならないこと。結末として娘は破局を決断した。(川本光憲)