@chablis777
シャブリ

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(剛男)ここか…。
あれ… もしかして 千夏ちゃん?
(千夏)はい。
やっぱり 千夏ちゃんかい!
(戸が開く音)(千夏)ただいま。
(千遥)お帰り。あっ なつおばさん。
(なつ)お帰りなさい。(咲太郎)千夏ちゃんか!
あ… この人は私と お母さんのお兄ちゃん。
咲太郎おじさんだ。
こんにちは。
あ… 父さん!?柴田さん!
いや いや いや いや びっくりしたもね。
千遥ちゃんの子かい子どもの頃のなつに そっくりだもな。
すぐ分かったわ。本当だな。
ご無沙汰してます。
千遥ちゃん… 私も心配になってつい来てしまったわ。
父さん…。
それで 話し合いは もう済んだのか?
うん。 分かってもらえたわ。ああ…。
千夏 これからもここで暮らせることになったから。
本当?うん。
これからは おじさんも おばさんもみ~んな 千夏ちゃんの家族だからな。
はい。
そうかい… それは よかった。
あっ…これを 富士子ちゃんが千遥ちゃんに返してくれって。
千遥ちゃんの忘れ物だわ。
ありがとうございます。
お姉ちゃん。
これを お姉ちゃんに。
いいのに それは。
やっと返せるのが うれしいから。
分かった。 ありがとう。
それから これ。
それは…。
やっと3人に届いたんだね その手紙。
はい…。
うん…。
軍隊の検閲を通さないお父さんの本当の手紙だ。君たちへの思いが込められてる。
奥原さんの思いは こうして しっかり3人に受け継がれていたんだね。
♪~
柴田君よ 本当に君のおかげだよ。
ありがとう。
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
う~ん うまい!
父さん。(剛男)うん?今日はうちに泊まってって。
私は これから会社に戻らなくちゃいけないんだけど。
これから仕事かい?うん。
今の作品が終わるまでは しかたないの。
いつまで続くんだ?来年の6月までだから…。
はあ~…。
あっ そうだ 千遥 千夏ちゃん夏休みになったら 一緒に十勝に行こう。
えっ?(剛男)そうだ。 千遥ちゃんまた 是非 十勝さ おいで。みんな待ってるから。
あ… そうですね。改めて お礼とおわびに伺いたいです。
なんも おわびなんて いらないから。
とかち?十勝は ソラのいるような所。
わあ 行きたい!したら じいちゃんも喜ぶさ。
千遥ちゃんのこと誰よりも心配してたから。
おじいさんが…。うん。
じいちゃん 元気?
それがな 元気というか…このところ 穏やかでな。穏やか?
(剛男)まあ もう90だから…。
泰樹さんも 90歳ですか。(剛男)今年で 91だ。
♪~
(照男)じいちゃん 便利になったべ。
実は じいちゃんもっと 牛を増やそうと思えば増やせるんだわ。古い牛舎を建て替えてミルカーを パイプラインにすれば人 増やさんでも もっと牛を増やせる。
そうしたいんだけど いいかな?まあ そうすぐって話ではないんだ。
(泰樹)好きにやれ。 お前に任せる。
じいちゃん…。
(砂良)よかったね。うん…。
♪~
(富士子)父さん こんなとこにいたのかい。
なつが 次の夏は帰ってくるって。
もしかしたら 千遥ちゃんも一緒に。うれしいしょ?
それまでは 元気でいなくちゃね。
ねえ 父さん一度 お医者さんに診てもらわない?
本当に元気だって分かったら 安心でしょ。
もう十分じゃ。
(剛男)「そっくり聞いていました。妹のグレーテルは 涙を出してシクン シクン やりながら兄さんのヘンゼルに向かって…」。
寝たわ。あ… ありがとう。 助かったわ。
なつは 寝なくて大丈夫なのか?寝てる場合じゃないから。
大変なんだな。まあ 特に この作品はね…。
イッキュウさんは ずっと会社に寝泊まりしてるのかい。
うん… 放送がある日は帰ってくるけど優とは会社で会ってるし。
仕事がない時間がないんだな。
気付けばね…。
いつも 優を急がせてる。そうか。 ありがとう。
優のためには… まあ こんな生活を変えなくちゃいけないんだけど今は どうしようもなくて…。
優には その気持ち…なつの愛情は ちゃんと伝わってるさ。
うん そうかな…。
優を信じろ。
子どもに期待し過ぎるのもいけないし期待しないのもいけない。
ただ 勝手に信じてやるぐらいがちょうどいいんでないのかい。
父さんは いつだって子どもを信じてくれてたもね。
頼りない父親だけどな。ううん そんなことないよ。
父さんは 強くて優しい人だわ。
じいちゃんと同じように開拓者の魂が宿ってるからね。
いやいや…。まあ そのことは照男兄ちゃんや夕見 明美ちゃんや私にちゃんと伝わってるから。
ありがとう…。
なつの生き方も ちゃんと伝わってるさ。
そうだといいけど…。
♪~
ただいま。お帰り。お帰りなさい。
(砂良)千遥ちゃん 本当によかったですね。
心配なのは なつだ。なつが どうかしたの?
いや あんなに大変な仕事だとは思わんかったわ。
ほとんど寝てないんだわ。寝てない?
イッキュウさんはほとんど 会社に泊まりっ放しでなつは 優のために家事をしながらうちで仕事をしてるんだ。それが 6月まで続くそうだ。(富士子)えっ…。
優ちゃんは 拓男と同じだから春から小学校でしょ。
そこなんだわ 問題は!
小学校に上がれば 保育園のように長くは預けられなくなるべ。
優ちゃんは 学校からうちに帰るしかない。
したら 誰かがうちにいてやるしかないべさ。
どうするの?家政婦を 今 探してるらしい。
家政婦?お金持ちみたい。
(拓男)カセイフって?
(地平)知らない人が家で働いてくれるんだべ。
富士子。ん?
お前 行ってやれ。
なつを助けてやれ。
私が 東京に行くのかい!?
それは 僕も ちょっと思った。
そりゃ 助けてやりたいけど…拓男も入学だしね。
拓男のことなら心配ないべ。 な?はい。 大丈夫です。
したけど 私にはアイスクリーム屋のこともあるし…。
それなら 私がやっておきます。
(照男)アイスクリームを売るとしたって夏だべ。
それまでに なつの仕事も終わるんだべさ。終わる。
助けてやれ。
分かりました。 私が行きます。
そういうわけで昭和50年の春が近づいた頃。
優ちゃん!(優)あっ おばあちゃん!
富士子さんが上京してきました。
元気だったかい?うん。
(陽平)おばさん!あっ 陽平さん お久しぶり。
(坂場)あっ。あっ 母さん。
お義母さん。2人とも元気かい?
ここまで来てもらっちゃって ごめんね。駅から タクシー乗ったから。
もう本当 助かったわ。母さん ありがとう。
(麻子)柴田さん ロケハンの時にはありがとうございました。
皆さん 頑張ってますね。
(下山)ご無沙汰してます。 下山です。で うちの妻です。
あっ 茜さんでしょ!優が 大変お世話になりました。
(茜)あ… いえ 私は何も。
あの これ土産といったらなんだけど 皆さんで。
北海道のジャガイモとバターです。
(神地)あっ それちょうど描きたかったんです!
ジャガイモにバター!モモッチ 早速 試そうよ。
(桃代)そうね。 バターが溶ける時の色も見たいし 食べてみたい!
すいません 頂きます。ちょっと…!
じゃ ごゆっくり。 すみません。すいません。
ねえ 母さんじいちゃんに怒られなかった?
なつを甘やかすなって…。
じいちゃんが言ったのさ。なつを助けてやれって。
じいちゃんが…?うん。
♪~
なつよ 感謝を込めて…。
来週に続けよ。


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