(株)光子発生技術研究所(TDB企業コード:550093610、資本金9999万9680円、滋賀県草津市穴村町576-1、登記面=滋賀県近江八幡市鷹飼町南4-2-1-808、代表山田廣成氏、従業員3名)は、10月11日に大津地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。

 申請代理人は木村真也弁護士(大阪府大阪市中央区高麗橋4-6-14、木村総合法律事務所、電話06-4963-3813)。監督委員には肱岡勇夫弁護士(大津市梅林1-3-13、琵琶湖法律事務所、電話077-525-3131)が選任されている。

 当社は、1997年(平成9年)10月に、立命館大学理工学部教授であった現代表の研究室で開発された電子蓄積型ハードX線発生装置シンクロトロンの開発および商品化を目的として設立。卓上型放射光装置「みらくる」および電子加速器の開発から設計、製造(外注利用)、販売を行っていた。従来の放射光装置は直径300メートル以上もある大型装置(スプリング8など)であるのに対して、当社では独自技術により最小0.4メートルの卓上型放射光装置を開発したことで、用途は建築構造物や機械の非破壊検査、半導体用の露光光源のほか、たんぱく質の構造分析、X線治療、器具の減菌などの医療分野にも応用され、大学、医療機関、大手電機メーカーなどを得意先として2011年3月期には年売上高約1億2700万円を計上していた。

 技術開発力には定評を得ていたものの、得意先の需要に左右されやすいことから売上げは安定しなかったうえ、高価格がネックとなって受注は減少傾向をたどり2018年3月期の年売上高は約6500万円にまでダウンし2期連続で当期損失を計上するなど業績低迷が続いていた。このため、近年は技術ライセンス販売による特許技術料収入や非破壊検査などの受託収入を得て業況維持に努めるほか、外資企業からの出資や金融機関からの返済条件緩和を受けてしのいでいたものの、ここへ来て民事再生手続きによる再建を目指すこととなった。

 負債は2018年3月期末時点で約3億2000万円だが、その後変動している可能性がある。