梅芸ドラマシティー公演「チェ・ゲバラ」の初日を観てきました
主演の轟悠さんは大の苦手ということを何度もこのブログで公言してきましたが、今回は怪我で休演することになったれいこちゃんの役がどんな役だったのかをみておかなくては...と半ばれいこちゃんファンとしての義務感から観劇を決意しました
....とはいえ、この作品を見るということは主演のトド様をずっと見ていなくてはいけないことになります。
それは辛い...
でもこの作品は、東京での公演の評判が凄く良くて、下級生たちが大活躍しているという噂もありました。なので、ちょっと楽しみになってきて迎えた初日でもありました。
そして今回は、研1生が2人も出演していて、凄くかっこいい男役さんがいた、という情報を聞きつけ、「もしや、そのかっこいい男役さんとは、私と娘が文化祭から注目していたゆいぴーこと遥稀れおくんでは...」と、期待していました。
この日のお席は4列目の下手よりのお席で、オペラグラスなして舞台が見渡せる素敵なお席でした。真ん中のお席でなくて良かった、と思いました。なぜならこの日の私の注目ポイントは、舞台の端のライトが当たらない場所の下級生達作品のストーリーはちょっと脇において、下級生と中堅どころの生徒さんの活躍を楽しむ、という観劇スタイルでこの作品を鑑賞することにしました。
ということで、今回、微妙な感情を抱きながらも、ストレスフリーで楽しい観劇をすることができました真面目な観劇の感想は以下の記事を書いた記者の方にお任せします!
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宝塚歌劇でしか描けない美しき魂の交感 ミュージカル『チェ・ゲバラ』 (宝塚ジャーナル)
私の個人的な感想はこの記者の方とは真逆です。
どんなにメークや髪型を工夫しても、スタイルの良い美しいジェンヌさんたちがジャングルの中でゲリラ戦を生き抜くマッチョな兵士達に見えるはずがありません。腕の傷の手当ての場面で見えた兵士役の生徒さんのほっそりした白い腕は、ライフル銃を担いでサバイバルナイフを振り回すようなゲリラ戦士の腕にはみえませんでしたその他の生徒さん達も、いくら黒塗りをしてもむさ苦しいお髭をつけても反政府軍のゲリラにはみえない可愛い生徒さんばかり...。無理している感じが痛々しかったですお衣装も迷彩色の戦闘服ばかりで、宝塚らしくありませんでした。私はこの作品を選んだのは歌劇団の判断ミスだったのではないかと思いました。国際政治的にも舞台のキューバは微妙な立ち位置の国...。今もアメリカが神経をとがらせている状況です。カストロ議長やチェ・ゲバラの評価も微妙で、ヒーロー的に描ききってしまうのはいかがなものか..ということもあります。きな臭い政治的な難しい話から一歩距離をおいて、宝塚歌劇団には、見終わった後にハッピーな気持ちになれるキラキラした胸キュンストーリーを上演しつづけて欲しいなとあらためて思いました。でも、主要なキャストを支える個々の生徒さんたちの小芝居が面白かったこと、セリフや目立つ動きが与えられていたことについては大いに評価したいと思います(...って、上から目線ですみません)
この日、幕開きからずっと注意して姿を追っていたのは、もちろん研1のゆいぴーこと、遥稀れおくんでした4月にオーシャンズ11で初舞台を踏んだばかりのゆいぴーウェイターの格好をして後ろのカウンターの中でグラスを拭いていたり、上級生に混ざって戦闘服でゲリラの訓練をしたり、ある時はキューバ市民になったり..とゆいぴーは上級生に混ざって大活躍でしたセリフも3つか4つあったと思います。
でも、大抜擢とはいえ、何といってもまだ音楽学校を卒業したばかりの研1さんです舞台の後ろの方で上級生に混ざって小芝居するのは難しいだろうな..と心配しながら見守っていたのですが、気がつくとゆいぴーのそばにはいつも千海華蘭くんが..ゆいぴーに話しかけたり、肩を組んだりとさりげなく小芝居をサポートしていました。凄く面倒見の良い華蘭くん上級生としてさりげなく舞台上でゆいぴーをサポートする姿に感動しました華蘭くんは主要な役の一人で、滑舌も良く演技も素晴らしかったです。客席から登場して笑いを取ってシリアスなお芝居のアクセントの役割を果たしていた華蘭くん。他にも何役もこなしていて大活躍でした
ゆいぴーの他、この日気になった生徒さんは、まゆぽん、はーちゃん、礼華はる君でした。まゆぽんはパパになったり、お兄ちゃんになったり、といろいろな役を演じていました。安定感があって包容力を感じさせる素敵な演技でした。もっと目立つ良い役が回ってくるといいのに...もったいな、と思いました。はーちゃんとはる君のカップルの切ない恋にもキュンキュンさせていただきましたフィナーレの時に二人で出てきて、はーちゃんにキスするはる君大胆なはる君の行動に思わずドキドキさせられてしまいました若いのになかなか大胆です切なく悲しい恋の結末でしたが、最後にちょっとだけハッピーな気持ちにさせてもらえて良かったですこれからさらに素敵な男役さんになりそうな礼華はるくんでした
それから研2のきよら羽龍ちゃんも今回はまゆぽんの弟という少年の役でしたが、凄く芝居心があって上手でした。お歌だけではなく演技もできる凄い下級生これからの活躍が他の楽しみです。夏風ききちゃんも幕開きからセリフがたくさんあって、キラキラしてとても目立っていました。
.....と、ここまで主演の2人の感想を全く書いていませんが、トド様のことは上にご紹介した記者の方にお任せするとして、今回二番手ポジションを務めた風間柚乃くんのことをちょっとだけ書き留めておこうと思います
おだちんは歌も演技も下級生とは思えない実力派ですが、やはり専科のトド様と互角の立場で...となると、今回の二番手の役はかなりハードルが高いミッションだったのではないかと思いました。身長があと数センチ高かったら、もう少し堂々として見えたのかも、とも思いました。やっぱりれいこちゃん演じるカストロが見たかったですまたガラリと雰囲気が変わった作品になっていたかもしれません。さすがにおだちんはお芝居、歌共に安定していて、新人公演内の下級生には見えませんでしたが、れいこちゃんがいないからおだちんに...というキャスティングは、ちょっとイージーすぎる判断だったのではないかと思いました。こういう機会にスポットが当たる生徒さんが出てきたらいいのに...と思いました。
.....ということで、小芝居とバイトを頑張る下級生達から目が離せなくて、お芝居のストーリーは全く頭に入ってこなかったというちょっと変わった観劇になりましたがとても楽しい観劇でした。今回一緒に観劇できなかったゆいぴーファンの娘と、もう一度見に来たくなりましたいろいろな楽しみ方ができる宝塚歌劇。奥深いです