【零號琴/飛 浩隆】を読んだ本に追加 → https://bookmeter.com/books/13119229 #bookmeter
『零號琴』、スペオペジェットコースター、「超天然色」な「エンタメ」として楽しめば良いのはそうなんだけど、後半、多くの作品群を想起させられる異様な構造に引っかかりつつ読んだ。ワンダの「運命に捕えられた物語を救いたい」という欲望に引っ張られ、他の部分を読み逃した気がする。
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明示的な手塚やプリキュアよりも、ゼロ年代以降特徴的なメタ物語の作品群が頭をよぎる。まずKEY諸作品、分かりやすいのは「世界は人々が共同で作り出した夢」という構造の『Littele Busters!』。KanonもAirもClannadも少しずつ。風子が汐を見つけ出す姿と「なきべそのフリギア」を救い出す姿が重なる。
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もう1ステップ遠く踏み出せば、幾つもの「物語の夢」を描く作品が芋づる式に(つまり「地中」から)出て来て、FF10(祈り子の見る夢)、Fate/Hollow Ataraxia(聖杯の見せる夢―アヴェンジャーと「かがみのまじょ」の類似)、魔法騎士レイアース(「くさび」としてのエメロード姫)
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もちろん『まどマギ』(概念=くさびとなるまどか)、少女革命ウテナ(「くさび」としての姫宮、老獪な兄はパウルに重なる)さらには、少女☆歌劇レヴュースタァライトの最終話、「世界の外側の砂漠に一人取り残される少女」とそれを救いに行くひかり、の姿。
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その先には『異セカイ系』や『キャラクターズ』に『はてしない物語』まで続く、「物語の登場人物に対する倫理」もうっすら顔を見せている。そういえば「ラギッド・ガール」でアンナは、『コレクター』という小説を読むことで自分が殺人を犯した、と語るけど、『はてしない物語』でも類似の台詞が。
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「本って閉じてあるとき、中で何が起こっているのだろう…そりゃ、紙の上に文字が印刷してあるだけだけど、――きっと何かがそこで起こっているはずだ。だって開いたとたん、一つの話がすっかりそこにあるのだもの。ぼくのまだ知らない人々がそこにいる…」(『はてしない物語』)
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『はてしない物語』は、SFチックに言えば一種の「物語ジェネレーター」であり、読者の読む行為と相互作用をしながら物語を生成していく。語られたことがらが、遡及的に歴史と真実として定着する。読者バスチアンが、自らの恣意的な想像(=読書)で、作中人物の運命を左右することに戸惑う場面がある。
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なんか羅列しすぎたが、こうした作品群に似ているというよりも、『零號琴』読んでるとこれらの作品に共通する欲望みたいなものが感じられる気がしたのが面白かったところ。Hollow Ataraxiaが一番そうだけど、「犠牲的存在の運命からの解放」の切実さというか。
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また別の話で、小説からは離れるけど、ここで安寧の中の人々が、なきべそのフリギアを「かわいそう」として救いたいという欲望から心を一つにする、という描写も気になっていて、何度も書いてるけど、ルソーは人間の本質を2点、「生存本能」と「憐れみ」に基礎付けてて、
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ここまで個別的になった現代において、それでも割と「かわいそうだ」という感情の喚起は、個人主義もイデオロギーもとっぱらって社会を束ねるのに作用する強力な(もしかしたら唯一の)システムなのかもな、的なことを思っていた。こうなるとオタク論とかにも波及する。
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