「こども食堂」で男児ける 逮捕は72歳「教育のプロ」
子どもを支援する施設で起きた、まさかの暴行事件。
逮捕されたのは、教育のプロだった。
淡々とした表情で階段を下りる、眼鏡の男。
児童に暴行した疑いで逮捕、20日朝に送検されたNPO(民間非営利団体)法人「川崎寺子屋食堂」の理事長・竹岸章容疑者(72)。
経済的に恵まれない家庭の子どもに、学習の場と食事を提供する、いわゆる「こども食堂」で起きた暴行事件。
さらに容疑者は、大手有名予備校の講師を務めた教育のプロだった。
NPO法人「川崎寺子屋食堂」の理事長を務める竹岸章容疑者。
2019年5月、神奈川・川崎市の施設内で、勉強していた小学6年の双子のきょうだいに対し、足をけるなどの暴行を加えた疑いが持たれている。
調べに対し、竹岸容疑者は、「おしゃべりをやめなかったので、足のすねをけったりテキストの角でコンコンやったが、暴行ではなく接触です」と、容疑を否認している。
竹岸容疑者が理事長を務める寺子屋食堂のウェブサイトには、「子どもたちに未来と希望を!」と書かれていた。
大手有名予備校を定年退職後、寺子屋食堂を立ち上げ、週に4日、母子家庭や生活保護家庭の子どもたちを対象に、夕食の提供と学習指導を無償で行っていたという竹岸容疑者。
運営資金の一部は、クラウドファンディングを通して200万円ほど集めていたという。
竹岸容疑者から暴行を受けた双子の親は、市の教育委員会などに問い合わせをしたが、竹岸容疑者が、「そんなことやっていない」とはぐらかすなど、誠実な対応ではなかったため、警察に訴えたという。
警察には、ほかにも数件、同様の被害を訴える相談があり、余罪を捜査している。