ダービー馬らしい、肩の出の柔らかい独特のフォームがレイデオロに戻ってきた。朝一番の美浦Wに今回初コンビの福永を背に登場。ゴーフォザサミット(4歳オープン)を2馬身先に行かせて5F標から加速していく。3角の入りでぴったりと取り付いて4角を抜けるまでそのまま。直線は内に入って持ったまま並びかけ、楽な手応えのまま同入した。
3角奥にある坂路下待機所の屋上から見ていた藤沢和師はすこぶる明るい。「(福永は)イメージをつかんだみたいだね。前走は変な競馬だったけれど、傷んでいないから大丈夫。使った分があるからね」。秋初戦に向けて自信を見せた。
福永は引き揚げてくると鞍の上から「こなれた感じで走ってますわ」と、さすがの動きに感心した様子。「難しいイメージがあったけど、馬がベテランだね。張り切ることなく余力もある。上手に走れていました。さすがの馬体だし、今後に向けても楽しみだね」。一線級の実力を褒めちぎった。
事前のリサーチもしっかりしてきたようだが、先入観をしっかり修正。「ルメールはエンジンの掛かりに時間がかかると言っていたけれど、馬が分かっているんでしょう。瞬発力よりもトップスピードが長く続く感じやね」。週末の天気が雨予報なのを聞かれ「頭が高いからのめることもないでしょう。走法的にこなせるよ。存分に味わってきますよ」。一流ジョッキーが乗り味を楽しめる馬はなかなかいない。目いっぱい楽しめば、結果もきっと、ついてくる。 (若原隆宏)