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【国際】

廃炉へ運転全面停止 米スリーマイル島原発

炉心溶融事故を起こしたスリーマイル島原発2号機の冷却塔=2月、米ペンシルベニア州で(赤川肇撮影)

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 【ニューヨーク=赤川肇】米電力・ガス大手エクセロンは二十日、一九七九年にメルトダウン(炉心溶融)事故を起こした東部ペンシルベニア州のスリーマイル島(TMI)原発の運転を全面停止し、廃炉作業に入る。作業完了は二〇七八年の予定で、廃炉費用は総額十二億ドル(千三百億円)程度を見込んでいる。

 エクセロンが四月に米原子力規制委員会(NRC)に提出した廃炉計画では、使用済み核燃料を貯蔵プールで保管した後、二二年末までに乾式貯蔵施設に移す。七四年に冷却塔などの大型構造物の解体を始め、放射性廃棄物の撤去を終えるのは七八年としている。

 TMI原発は一九七四年に稼働し、全二基のうち2号機が七九年の事故で閉鎖。1号機は八五年に再稼働したが、エクセロンによると六年前から赤字に陥っていた。

 TMI原発を巡っては、州議会で州内の原発全九基を年五億ドル(五百五十億円)かけて支援する事実上の延命策を検討。しかし、再生可能エネルギーの普及を妨げるなどとして反対が根強く、エクセロンは五月、二〇三四年までの運転許可期限を待たずに廃炉にすると発表していた。

 

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