【グラニュース】J1名古屋グランパス風間監督解任 11位低迷、入れ替え戦16位まで勝ち点4差2019年9月20日 21時35分
名古屋グランパスに激震が走る。風間八宏監督(57)が解任されることが20日、決まった。Jリーグ関係者が明かした。21日に発表される見込み。11位低迷で入れ替え戦を課される16位・鳥栖との勝ち点差は4。残留争いに身を置く現状に、クラブ首脳も業を煮やした。後任には2014年からFC東京を2年間、16年から鳥栖を3年間にわたり指揮したイタリア人マッシモ・フィッカデンティさん(51)らの名前が挙がっている。
大ナタが振りおろされる。5月中旬から10戦勝ちなしの低空飛行を演じ、直近15試合では1勝9敗5分け。それを受けて、クラブ首脳は低迷理由を分析。選手獲得、現場の采配などを吟味した結果、風間監督の起用法に勝てない原因の比重が高いと結論づけた。 風間監督は元々、火中の栗を拾う形で就任した。クラブ史上初のJ2となった2017年に就任。1年でJ1へ昇格させ、昨季も残留争いを演じながら踏みとどまった。 今季は開幕3連勝、ホーム開幕5連勝と好スタートを切るも、急ブレーキ。センターバック(CB)の丸山が臀部(でんぶ)負傷でベンチ外となった第17節神戸戦では、MFシミッチをCBで起用。「人生初」(シミッチ)のポジションで質の高いパフォーマンスを出せず、この段階で今季ワースト5失点。選手は混乱した。 風間監督を勝たせるために予算増を承諾したから、親会社のトヨタ自動車側も手腕に首をかしげざるを得ない。監督就任後、長年にわたり年間50億円規模だったクラブ運営を元ブラジル代表FWジョー獲得などで10億円補充した。今季も鳥栖からはDF吉田を、FC東京からはMF米本を完全移籍で獲得。移籍組は高いパフォーマンスを発揮している。 出費の分だけ結果を求めるのは自然な発想。ただ、サポーターを魅了する速さ、強さを求める風間サッカー実現には時間を要する。選手個々のスタイル変更を伴うため、常勝軍団完成に必要な代償こそ、時間という側面があるのだ。だが、結果が全て。親会社側はJ2降格は避けるために指揮官交代という決断を下した。 風間監督とサポーターで描いた未来予想図は廃棄される。今後も同じような攻撃的なスタイルを求めるのか、それともカウンターなど違うスタイルへ転換するのか。低迷が長期化する中でクラブ人事が断行される。 ▼風間八宏(かざま・やひろ)1961(昭和36)年10月16日生まれ、静岡市出身の57歳。清水商から筑波大へ進学し、ドイツ挑戦を経て、日本リーグのマツダ(後の広島)に加入。大学時代に日本代表初選出。ポジションは主にMF。97年に現役引退し、桐蔭横浜大などで監督。2012年4月から川崎の監督に就任。17年から前年にJ2へ降格した名古屋を指揮し、1年でJ1復帰へ導いた。
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