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【首都スポ】

[大学サッカー]早大逆襲のキーマンたち 悲運の男・藤沢和也、最後は日本一に!

2019年9月20日 紙面から

最後を飾りたいMF藤沢。下位からの劇的な巻き返しを遂げ、完全燃焼で終える

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 第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)の後半戦が7日にスタートした。昨季優勝の早大はここまで3勝1分け8敗の勝ち点10で10位。2連覇どころか、残留争いに巻き込まれている。最多27回のリーグVを誇る屈指の名門でもあるだけに、このままでは終われない。エースナンバー10番を託されたMF金田拓海(4年・神戸U-18)と故障からの完全復活を期すMF藤沢和也(4年・早実)が、ゴールを生み出す。全日本大学選手権(インカレ)に出場できる6位以内に滑り込めるか? (関孝伸)

 リーグ2連覇を狙っていた前回王者にとって、MF藤沢の離脱は痛かった。今季、始動して間もなくの時期にアクシデント。2月中旬に行われた合宿の初日に左腓骨(ひこつ)筋腱(けん)脱臼の大けがを負ったのだ。外くるぶしの後ろを走る腱の脱臼で、復帰に数カ月を要するとの見立てを受けた。

 「連覇に向けてやってやろうという気持ちでいたので、(けがをして)すごく悔しかったです。病院に行くまでは(復帰までに)そんなに時間がかかるとは思っていませんでした。すごくショックでした」

 昨季からリーグ戦に登場し、ドリブルやゴールに絡むプレーで対戦相手に脅威を与えた。記録した5得点の多くが勝ち点に直結した。

 「(昨季の)4年生に引っ張ってもらって、3年生だった自分はのびのびとプレーすることができました。優勝に直接的に貢献できて、充実したシーズンになりました」

 迎えた今季はチームの攻撃の主役としてさらなる活躍を遂げるはずだったが、悪夢の負傷に妨げられた。主力の一人を欠いた早大は低空飛行を強いられた。

 非運の男がリーグ戦の舞台に戻ってきたのは8月4日、第9節のことだった。そして、復帰2戦目となった第11節でゴールをマークし、チームに勝ち点3をもたらした。

 「チームがなかなか勝てなかった(復帰するまでの)状況をもどかしく感じていました。復帰して最初の試合は負けちゃったんですけど、次に出た試合で自分の得点が勝利につながりました。チームに迷惑をかけてきた中で、やっと貢献できました。すごくうれしかったです」

 早大は1部制覇の翌年に2部降格の憂き目にあうケースが2回も続いている。「二度あることは三度ある」という状況だけは避けなければならないが、現状は残留ギリギリの10位。まずは勝ち点を着実にゲットして降格回避を確定させた上で、インカレ出場圏内となる6位以上を目指す。

 プロの道には進まず、一般企業への就職が内定している背番号14にとっては、サッカー人生の集大成となる戦いを光り輝かせたい。「点を毎試合取るくらいのつもりでやります。最後にインカレで日本一になって終わりたいです」と、有終の美をかっこよく飾る青写真を描く。

◆藤沢☆アラカルト

 ◆温泉 最近はまっていて、オフの日には、ちょっと遠めの温泉まで車で出かけたりもする。お気に入りは山梨県のほったらかし温泉。標高670メートルほどのところに位置し、富士山や甲府盆地を見渡すことができる。温泉と絶景を同時に楽しめるので、最高に気持ちがいい。

 ◆感激 小学生のときの選抜チームでお世話になったコーチと久しぶりに話す機会があった。しばらく会っていなかったが、それでも自分のことを気にかけてくれていたと知り、すごくうれしかった。結果を残すことで恩返しをしたいと思う。

<藤沢和也(ふじさわ・かずや)> 1997(平成9)年8月14日生まれ、さいたま市南区出身の22歳。181センチ、73キロ。群馬県高崎市に住み、中居幼稚園に通っていた4歳のときに、サッカーを始めた。小1~小3まで金沢南サッカースポーツ少年団(石川)に所属。小4~中3まで東京Vの下部組織でプレーした後、早実高(東京)に進んだ。早大では昨季から主力となり、1部リーグ優勝を経験した。卒業後は金融系の一般企業に就職する。

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