関脇貴景勝(24)=千賀ノ浦=が平幕妙義龍を突き落として10勝目を挙げ、規定により1場所での大関復帰を決めた。関脇に転落した場所で返り咲きを決めるには10勝が条件で、この規定での復帰決定は現行制度となった1969年名古屋場所以降、夏場所の栃ノ心以来6人目(7度目)となった。12日目で復帰を決めるのは最速。カムバックは昭和以降10人目(11度目)。平幕明生が敗れたため、2敗で単独トップに立った。
「ひとまず良かったとかじゃなく、とりあえずクリアした。一つの区切りが終わった。もう一つありますから、明日(13日目)から頑張る」。こう話した取組後は帰路でファンからの「大関おめでとう」の祝福にはノーリアクション。喜びに浸っている暇はない。「最後まで頑張って」の声にかすかに頷いた。1場所での大関復帰を決め、かつ優勝すれば史上初の快挙。2度目の賜杯へ突き進む。