【瞑想の効果と方法】～意外とできていない頭の整理のために～

【瞑想の効果と方法】～意外とできていない頭の整理のために～

瞑想とは自分の心の中と向き合い、対話の時間を作ることです。もともとは仏教やヨガなどで用いられてきた方法ですが、最近では「マインドフルネス」という言葉も聞かれるようになってきました。グーグルでも「マインドフルネス瞑想」というものを採用しており、仕事の効率を高めるために有益であるという報告があります。

もともと瞑想はさまざまな宗教から発展してきたことから、そのやり方や内容は微妙に異なってきます。しかし、それぞれを明確に分けるほどの違いはありませんし、瞑想そのものの本質を考えるとそこまで厳密に分ける必要もないように思います。

最近よく聞くマインドフルネスという考え方とは、簡単に言うと「いまある状態を意識的に認識すること」です。別に特別なこととは思われないかもしれませんが、これが実はなかなか難しかったり、目の前のことに意外と集中できていなかったりするものなのです。特に現代ではさまざまな情報に目がいってしまい、目の前で起きていることを感じたり把握したりすることが難しい状態にあります。

マインドフルな状態というのが現状をそのまま感じ取れる、いわばニュートラルな状態であるのに対し、マインドフルでない状態というのは過去や未来のことを考えすぎてしまい、現状に対する感受性が低下してしまっている状態のことを言います。それが必ずしも悪いということではないのですが、あまりにもマインドのバランスを崩してしまうとストレスを溜めやすくなったり仕事の効率が悪くなってしまったりということにつながってきます。

ここでは、瞑想の実際のやり方とその効果などについて、お話していきたいと思います。瞑想は誰でも自宅で簡単にでるので、ぜひ一度ご自宅で試してみてください。そして、これが習慣になると驚くほどの心の変化が現れるかと思います。

瞑想の効果と方法

瞑想の効果

瞑想には主に次のような効果があります。

・頭の中を整理できる

・新しい自分を発見できる

・心を穏やかにできる

・自律神経を整えてくれる

・よく眠れるようになる

・身体の痛みを和らげてくれる

・ストレスの軽減あるいはストレスからの回復が早くなる

・集中力が高くなる

瞑想は自律神経を整えてくれるので、それだけでもさまざまな身体の症状を改善してくれる効果があります。また、普段とは異なった静的な環境に身を置くことで自分を見つめなおし、頭の中を整理できます。頭の中の整理といっても具体的になんのことかピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、普段の業務をこなしていても何か頭の中で気になっていることがあり、そのことに気が引きずられてしまっているということはないでしょうか。

そのような経験や感覚を持っている方は、実はちょっとしたストレスや悩みなどが整理できていないため、いつまでも頭の中に引っかかってしまっているのです。そういったことが蓄積していくと心に淀みができ、新しいアイデアや行動力を起こさせる活力の妨げになってしまいます。

これらの問題点の改善のために、瞑想という方法は非常に有効な手段となります。後ほど説明しますが、瞑想とは最初から心を無にするものではなく、頭の中が整理されることで自然と心が無になっていくものです。もし瞑想がうまく行えるようになり、頭の中が上手に整理できるようになれば、頭が本当に軽くなったような感覚が得られます。そして、頭が軽くなると身体まで実際に軽くなり、慢性的に疲労がある方も楽に感じることになるでしょう。

環境を整える

瞑想とは、自分の内面と向き合うものです。そのため、できるだけ外からの刺激は受け取らない環境を作ります。ストレッチやヨガをするときにはリラックスできる音楽や香りを用いることもよいかと思いますが、単純に瞑想をするときにはあまり音楽や香りなども用いないことをおすすめします。

そして、テレビを消して、部屋の電気も暗くしておきます。瞑想の途中でトイレに行きたくならないように、トイレも済ませておきましょう。時間帯はできれば寝る前に行うのが良いかと思います。その理由というのは、瞑想には自律神経を整える効果もあるため、寝る前に行うことで質の良い睡眠を得ることができるからです。

また、瞑想は短い時間でも効果があるという方もいらっしゃいますが、私はできれば瞑想は30分～１時間程度は行わなければちゃんとした効果は得られないと感じています。そのため、朝の忙しい時間帯でしっかりとした瞑想を行うのは難しいので、寝る前にある程度の時間をとって行うべきだと考えています。

姿勢を整える

瞑想を行うとき、姿勢を整えることはとても大切なことです。姿勢が崩れていると呼吸もしづらくなり、余計な意識が身体に向かいやすくなってしまうので、瞑想に集中しづらくなってしまいます。そのため、丸い姿勢ではなく、しっかりと背筋が伸びた姿勢で行うのが理想的です。

しかし、股関節や腰の関節が硬い方の場合は、こういった姿勢をとること自体が窮屈に感じてしまう方もいらっしゃいます。窮屈だと感じながらも頑張って背筋を伸ばしていても、瞑想に集中できるわけがありません。もしも背筋を伸ばしておくのがつらいといった場合には、おしりの下にクッションや枕などを置くと、楽に背筋を伸ばしやすくなります。

瞑想のやり方

呼吸法

瞑想でまず大切になってくるのが呼吸です。最初に深呼吸を５回ほど行うのですが、このときの呼吸法は基本として腹式呼吸で行います。まず４秒ほどかけて息を吸い、その吸った息を８秒ほどかけてゆっくりと吐き出します。そのとき、しっかりと息を吐ききるようにしましょう。

瞑想をしている間は、継続してこの腹式呼吸を行います。最初は意識して腹式呼吸を行うことになるとは思いますが、徐々に無意識のうちにできるようになってくると思います。そして、瞑想に集中できてくると呼吸の回数も徐々に減ってくる傾向にあります。そのような状態になると意識が内面に向きやすくなるので、瞑想の効果が高まることが期待できます。

意識のもち方

瞑想というと心を無にするというイメージが強いかと思いますが、最初から心を無にしようと思ってやってもなかなかうまくいくものではありません。心が無になるのは結果として無になるということで、意識的に最初から心を無にしようとするとうまくいきません。

瞑想を始めてみると、勝手に意識として頭の中に浮かんでくることがあると思います。それは普段からストレスに感じていることかもしれませんし、悩んでいることかもしれません。もし何も浮かんでこないといった方は、特に瞑想をする必要もないくらい落ち着いた精神の持ち主だと思います。

通常は色々と雑念が浮かんでくると思われますので、ここで大切なことは、雑念を忘れようと頑張って無心になろうとしないことです。なぜ雑念が生まれるのかというと、普段から頭の中で整理できていないことがあり、そのまま流して生活してしまっているからです。そのため、ふと頭に浮かんできた内容について、思い切り考えてみることです。

しばらく１つのことについて考えているとだんだんと頭の中が整理できてきて、もうこれ以上考えることはないという状態になってきます。その結果、無心になることができるかというと、なかなかそう簡単にはいきません。人は雑念が１つということはなかなかないので、１つの雑念が整理できてもまた次の雑念が浮かんできます。そして、新たに浮かんできた雑念についてまた１つ１つしっかりと考えて整理していきます。この繰り返しにより頭の中が整理されて心を無に近づけることができるのです。

瞑想をする時間

瞑想を行う時間は、理想的には30分～１時間は必要かと思います。その理由としては、先ほど頭の中を整理していく過程についてお話しましたが、考えを整理していくのにはかなり時間がかかります。特に始めたばかりの方は頭の整理に慣れておらず、時間がかかるのは仕方がないことかと思います。

しかし、実際に瞑想をしてみると最初から長時間瞑想をするのはかなり難しいことがわかると思います。瞑想には集中力が必要なので、最初は５分程度から始めてみるのがおすすめです。慣れてくると５分が10分、10分が30分と徐々に長い時間の瞑想にも慣れてきます。そして、時間をかけて行う瞑想ほど、本来もっている瞑想の効果が期待できます。

おわりに

瞑想は自宅で誰でもできる手軽なものですが、意外と慣れるまでは時間がかかります。また、１度の瞑想だけで雑念を整理してマインドフルな状態にはできません。そのため、日々の継続が大切です。もし毎日行うのが難しいといった方は、１週間に１度だけでもかまいません。ただ、１回の瞑想でしっかりと時間をかけて集中して行うように心がけましょう。

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