ある日、仕事終わりに、その扉をあけたお店。 仄かでシックなイメージの外観が、ずっと気になっていたお店。 その名も『料理家 仄り』。 【ほのり】と読む。 【仄かな光の見た目】を、そのまま店名にしたような感じだ。
場所は、本町の中心。 地下鉄各線・本町駅の9番出口から徒歩3分の場所。 お店は地下1階に。 上品な設えの階段を降りた先に、カウンター席とテーブル席・座敷席がある店内がある。
若い男性店員さんが、カウンター席に案内してくれた。 そこで、さっそくビールを注文する。 呑むことに関してだけ、行動が早いといわれる私だ。
手書きのメニューの達筆さに感動しながら、メニューをセレクト。 カウンター席の向かいにある、厨房にいる大将にお造りをすすめられたので、注文。
と、その前に「つきだし」登場! 焼きカマスの南蛮漬けだった。 キウイフルーツの甘みがアクセントの一品。 和食割烹のお店らしい「つきだし」だなぁ。
「盛り合わせ一人前」と、メニューになっているのが嬉しい。 おひとり様歓迎な、『料理家 仄り』さん。 写真は見えづらいが、私は、しめ鯖が一番のお気に入り。 繊細な酸味が上品で、美味だ。 臭みがなく、さらに、一口サイズで食べやすかったのが、マグロ。 あと、鱧の炙り。 大好物だ。 これに味をしめた私は、単品で鱧を頼むことに。 「徳島 鱧(焼き霜)」を。
焼き霜とは、表面を炙った後に、冷水にさらす調理法だ。 今日の鱧は焼き霜がおススメだ、と、大将:談。 表面のかすかな焦げがかもす、独特の風味も、なかなか。 日本酒が恋しくなった。
日本酒は奈良県の「水芭蕉」。 少し辛目で、食中酒にピッタリ。 鱧の後味に、このお酒のキリっとした味がベストマッチ! 幸せ気分だ~☆ また、おちょこを選ばせてくれるのも嬉しい。
あらかじめ頼んでおいた、「たら白子天ぷら」の濃厚さともピッタリだ。 大将は、日本酒に詳しいので、料理に合うものを瞬時に選んでくれる。 カウンター席は、もちろん厨房の真ん前。 常に目を配ってくれる、調理場の料理人さんの気づかいの細やかさにも癒される。 少し、贅沢な外呑みだが、それに見合った店員さん・料理人さんのプロ意識がみえる。 プチ贅沢を『料理家 仄り』でしても、損はないと思う! 日本酒をもう1杯いただいて、最後に軽くつまめる「煎り銀杏」を食べることにした。
「神亀」は埼玉のお酒。 度数は、普通だが醸造に時間をかけているので、トロっとしていて濃い味だ。 珍しいお酒なので注文したが、強い味にすこし酔ってしまった。 【私としたことがっ!】 酔いざましに、「煎り銀杏」をパクパク。 銀杏の甘みが染みる~。
カウンター席は奥行きが広くて厨房と同じ高さ。 まるでアイランドキッチンで、料理をふるまってもらっているような感覚になる。 大人なイメージの店内は、シックな照明。 そしてBGMはJAZZ。 気さくな大将がいるので、肩肘張らず、はじめてでも1人でも入れると思う。