杉本崇
個人のプロフィルや支払い能力、購買履歴といったデータをもとに、その人がどれだけ信用できるのかを数値で示すとされる「信用スコア」。普及が進む中国では、スコアが高いと低金利で融資を受けられたり、お見合いで有利になったりするという。日本でも複数の企業が導入しようとしているが、個人の「格付け」が将来的に固定化されてしまうリスクも抱える。
「ゴマ信用の信用スコアはいくつ?」
上海に住むコンサルタント会社代表の小松崎欽一さん(25)は最近、友人からよく尋ねられる。
「ゴマ信用」は、中国で最も普及している信用スコアのサービスだ。IT大手アリババ集団が2015年に始めた。スマートフォンの決済が当たり前になっている中国でトップシェアの「アリペイ」と連携。身元情報や収入、ローンの有無などを入力すると、350~950点の間で数値が出る。
スコアが高ければ、個人向け融資を低金利で受けられたり、ホテルの宿泊や自転車のレンタルで保証金を免除されたりする。最近は婚活サイトや履歴書で記入を求められることもある。
ゴマ信用では、スコアが600を超えると良いとされ、小松崎さんも「600ちょっと」。ところが友人から「700以上は非常に良いという評価らしい」と聞くと、スコアが気になり始めた。
スコアが伸びない理由として思…
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