汚染水処理情報ポータルサイト

撮影月 2017年4月撮影

ABOUT

福島第一原子力発電所では、多くの方のご協力を頂きながら、
事故に伴って発生した高濃度の放射性物質を含む「汚染水」への
対策を進めています。
当サイトでは、汚染水に含まれる放射性物質を浄化し、
リスクを低減した「処理水」について、データ情報や対応状況などを
皆さまにお伝えしてまいります。

information

お知らせ


  • 2019.8.9
    第13回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.7.29
    タンクエリア毎にタンク水量・容量の算出方法が異なっていたことから、算出方法を統一しタンク水量・容量を変更しました
    詳しくはこちら
  • 2019.3.27
    ボルト締めのフランジ型タンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水について、溶接型タンクへの移送が完了しました
    詳しくはこちら
  • 2019.2.15
    スマートフォン用サイトを開設しました
  • 2019.1.21
    英語ページを開設しました
  • 2018.12.28
    第12回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2018.12.27
    Q&Aページを公開しました
  • 2018.12.10
    ポータルサイトを開設しました
タンク内処理水の貯蔵量
  • 処理水の貯蔵量(2019年8月22日現在)

    80

    *水位計の測定下限値からタンク底部までの水を含んだ貯蔵量

福島第一原子力発電所では、発生した汚染水に含まれる放射性物質を多核種除去設備等で浄化し、処理水(ストロンチウム処理水を含む)として敷地内のタンクに貯蔵しています。
なお、敷地内には977基のタンクがあります。(多核種除去設備等処理水の貯蔵タンク834基、ストロンチウム処理水の貯蔵タンク129基、淡水化装置(RO)処理水12基、濃縮塩水2基/2019年8月22日現在)。
※2020年末までのタンクの建設計画は約137万㎥

多核種除去設備等の処理水

ストロンチウム処理水

タンク
多核種除去設備等の処理水 貯蔵量および放射能濃度
  • 
    多核種除去設備等の処理水の貯蔵量(2019年6月30日現在)

    80

    *満水タンクのみをカウントした貯蔵量で、全体貯蔵量とは差があります

現在、多核種除去設備等の処理水は、トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています。
多核種除去設備は、汚染水に関する国の「規制基準」のうち、環境へ放出する場合の基準である「告示濃度」より低いレベルまで、放射性核種を取り除くことができる(トリチウムを除く)能力を持っています。ただし、設備運用当初の不具合や処理時期の運用方針の違いなどにより、現在の告示濃度比総和別の貯蔵量は右図の通りになっています。

 貯蔵タンクエリア毎の放射能濃度を詳しくみる
多核種除去設備等の出口における処理水の数値を詳しくみる
前回(2019年3月31日)からの増加量をみる

ストロンチウム処理水

タンク
円グラフ
汚染水処理の経緯

福島第一原子力発電所では、敷地内で処理水をタンクに貯蔵する際の国の基準「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を満たすため、2013年度以降、多核種除去設備等による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成しました。
多核種除去設備は、それ以降も発電所のリスク低減を踏まえた運転を実施しています。

  • 2013年度〜2015年度

    • 課題

      セシウムのみを取り除いた状態の高濃度汚染水を敷地内のタンクに貯蔵していた2013年当時の敷地境界線量は、9.76ミリシーベルト/年に達し、国の定める基準である「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を大幅に超過していた。

    • 処理方針

      多核種除去設備による処理を2013年より開始し、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年の早期達成を目標とし、稼働率を上げて浄化処理を実施。

    • 結果

      多核種除去設備による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成した。一方、多核種除去設備の不具合などにより、核種別の告示濃度超過も発生した。

      空間線量
      処理水の放射性物質の濃度

      ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

  • 2016年度

    • 課題

      多核種除去設備等による処理が進んだことにより、処理容量がタンクの建設容量を上回ったため、処理水を貯蔵するタンクが不足しはじめた。

    • 処理方針

      処理水を貯蔵するタンクの建設を急ぐとともに、多核種除去設備の浄化能力をいかし、核種別の告示濃度を意識した処理を実施。

    • 結果

      多核種除去設備の浄化能力をいかした処理を行ったため、2013年度~2015年度と比べ、核種別の告示濃度超過の発生割合が少なくなった。

      処理水の放射性物質の濃度

      ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

  • 2017年度〜

    • 課題

      漏えいリスクの高いボルト締めのフランジ型タンクに貯蔵している水を早期に処理すること。

    • 処理方針

      2018年度末までにフランジ型タンクに貯蔵している水を多核種除去設備で処理することを目標とし、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を維持しつつ、多核種除去設備の稼働率を上げて浄化処理を実施し、リスク低減をはかる。

    • 結果

      フランジ型タンクで貯蔵するリスクを低減させることを意識し、多核種除去設備の稼働率を上げて処理を実施した。
      その結果、2018年11月に、フランジ型タンク内のストロンチウム処理水(多核種除去設備等による処理前の水)については、全量処理が完了したものの、2016年度と比べ核種別の告示濃度限度超えの割合が多くなっている。
      なお、2019年3月に、フランジ型タンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水についても、溶接型タンクへの移送が全て完了した。

      処理水の放射性物質の濃度

      ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

Q&A
Question and Answer

皆さまからのご質問におこたえします

  • 福島第一原子力発電所で発生している「汚染水」ってどういうものですか。
    福島第一原子力発電所の事故により発生している、高濃度の放射性物質を含んだ水のことです。

    福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉内には、事故により溶けて固まった燃料(燃料デブリ)が残っています。燃料デブリは水をかけ続けることで冷却された状態を維持していますが、この水が燃料デブリに触れることで、高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」が発生します。また、この高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」は原子炉建屋内等に滞留しているため、建屋内等に流れ込んだ地下水や雨水と混ざることによっても「汚染水」が発生します。
    この「汚染水」は、複数の設備で放射性物質の濃度を低減する浄化処理を行い、リスク低減を行った上で、敷地内のタンクに「処理水」として保管しています。

    汚染水対策について詳しくみる

  • 「多核種除去設備」では福島第一原子力発電所で発生する汚染水に含まれる、すべての放射性核種を取り除くことができるのですか?
    汚染水に含まれる放射性核種のうち、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。

    「多核種除去設備」は、福島第一原子力発電所で発生する汚染水を浄化する設備のひとつです。この設備にある、吸着材が充てんされた吸着塔に汚染水を通すことによって、放射性物質を取り除く仕組みになっており、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。
    なお、汚染水に関する国の「規制基準」は
    ①タンクに貯蔵する場合の基準
    ②環境へ放出する場合の基準の2つがあります。周辺環境への影響を第一に考え、まずは①の基準を優先し多核種除去設備等による浄化処理を進めてきました。そのため、現在、多核種除去設備等の処理水はそのすべてで①の基準を満たしていますが、②の基準を満たしていないものが8割以上あります。
    当社は、多核種除去設備等の処理水の処分にあたり、環境へ放出する場合は、その前の段階でもう一度浄化処理(二次処理)を行うことによって、トリチウム以外の放射性物質の量を可能な限り低減し、②の基準値を満たすようにする方針です。

    処理の経緯について詳しくみる

  • 「トリチウム」とはどういうものですか。
    水素の仲間で、放射性核種のひとつです。
    自然界にも存在し、大気中の水蒸気、雨水、水道水にも含まれています。

    「トリチウム」は水素に中性子が2つ加わったもの(三重水素)で、水素とほぼ同じ性質を持っています。
    放射性核種のひとつであり、ベータ線という放射線を出しますが、そのエネルギーは小さく、紙1枚で遮ることができるほどです。
    もともと「トリチウム」は、宇宙から降りそそいでいる放射線(宇宙線)と大気がまじわることによって常に生成されています。そのため、トリチウムが水素の代わりに酸素と結びつき、「水」のかたちで大気中の水蒸気や雨水、海等自然界に存在しています。
    「トリチウム」は、日常生活でも飲水等を通じて体内に取り込まれていますが、新陳代謝等によって、蓄積・濃縮されることなく体外に出ていきます。
    なお、国内外にある原子力施設(原子力発電所や再処理施設)では、核分裂等を通じてトリチウムが生成されており、各国が、それぞれの国の規制に基づいて管理されたかたちで、海や大気等に排出しています。

    トリチウムについて詳しくみる(資源エネルギー庁スペシャルコンテンツ)