4か国語のチラシ
福岡市東区で2001年2月17日に起きた老夫婦殺害事件について、福岡県警が日英中韓の4か国語でチラシを作り、情報提供を求めている。福岡県警が抱える未解決の殺人事件の一つ。英中韓国語でチラシを作製したということは「警察は外国人の犯行と睨んでいるのだろうか」と早とちりしたが、広く情報を求めたいという遺族側の要望によるものらしい。4種のチラシは、県警サイトの情報提供を募るページに掲載されているが、このページを巡っては5年前、「未解決は4件どころじゃない」という記事を書き、県警が抱える未解決事件をすべて掲載するべきではないかと訴えたことがある。
5年前、県警のサイトに掲載されていた事件は以下の4件だけだった(日付は事件の発生、または発覚日)。
●北九州市若松区の主婦殺害(2001年6月29日)
●田川市のタクシー運転手強盗殺人(2001年7月19日)
●嘉麻市の男性殺害(2009年4月17日)
●博多湾で切断遺体が見つかったOL遺体遺棄(2010年3月15日)
それが現在では次の4件に切り替わっている。
●福岡市東区の老夫婦殺害(上記)
●北九州市若松区の主婦殺害(2001年6月29日)
●宇美町のコンビニ店主殺害(2000年7月9日)
●田川市のタクシー運転手強盗殺人(2001年7月19日)
嘉麻市の男性殺害、OL遺体遺棄の情報がサイトから消え、代わって老夫婦殺害、コンビニ店主殺害の2事件が新たに掲載されているが、消えた2事件が解決したわけではない。また、発生日でわかるように追加された2事件が最近新たに起きたわけでもない。サイトに掲載して情報提供を求めるのは概ね4件までという内規でもあるのだろうかと疑いたくなる。
OL遺体遺棄事件は3月15日、発生から7年を迎え、風化を恐れる博多警察署はこの日、JR博多駅でチラシを配り情報提供を呼び掛けたという。16日の朝刊各紙の地域版にはその記事が掲載されていたが、依然として有力な手が掛かりはなく捜査は難航していると報じられていた。
一方、老夫婦殺害とともに新たに掲載されたコンビニ店主殺害は「未解決は4件どころじゃない」の中でメインで取り上げた事件だが、こちらに関する報道は近年では全く見た記憶がない。「未解決は4件どころじゃない」を書いた5年前でさえ、事件の記憶を伝えるものと言えば、所轄の粕屋警察署前に貼られたチラシぐらいだった。発生から今年7月で17年。風化していくのも無理はない。
上記事件以外で、福岡県警の未解決殺人事件をわかった範囲で一覧にしてみた。これらの事件も風化しつつあるのではないかという懸念を感じたので、事件概要を付け加えた。被害者、そして遺族の無念を晴らせていない事件が私がざっと調べただけでも、まだこれだけある。
●嘉瀬川男性切断遺体事件
1996年2月3日、佐賀県富士町(現在は佐賀市)の嘉瀬川上流で切断された男性の両手足が見つかる。身元は後に北九州市小倉北区の元カラオケ会社経営の男性(50)と判明し、福岡、佐賀県警による合同捜査が始まった。男性は飲食店の家賃を不動産屋に支払うため多額の現金を持って外出、そのまま行方不明となっていた。
●ホテル従業員2人殺害
1999年3月10日午後、北九州市戸畑区のラブホテル利用客から「女性が血を流し倒れている」との通報があり、捜査員が駆けつけたところ、女性従業員2人(46歳と50歳)が血まみれで倒れ、すでに死亡していた。ホテルの特性上、利用者は駐車場からフロントを通らずに出入り可能だったため、目撃情報や物証などもなく、発生当初から捜査は難航。現場は狭い坂道を上った住宅街の一角にあり、犯人には土地カンがあったともみられている。
●箱崎ふ頭で白骨遺体発見
2006年5月23日、福岡市東区箱崎ふ頭の中古車置き場で一部白骨化した男性の遺体が見つかった。警察が司法解剖したところ、腹部に複数の刺し傷があることがわかり、殺人事件として捜査を始めた。遺体の身元は住所不定、職業不詳の男性(56)で、中古車置き場で寝泊まりしていたという。
●中古車販売業の男性殺害
2006年6月15日夜、福岡市早良区野芥の路上で、帰宅中だった男性(33)が男に刃物で背中を刺され死亡した。男性の所持品は残されていたことなどから、警察では物盗り目的ではなく、顔見知りによる犯行との見方を強め、交友関係を中心に調べたが、有力な手がかりは得られていない。
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