1970年洋楽ロック名盤10枚

私的ベストアルバムレビュー 「ジョンの魂」 ジョン・レノン

「ジョンの魂」ジョン・レノン
ジョン・レノン:ボーカル、ギター、ピアノ、オルガン
リンゴ・スター:ドラムス
クラウス・フォアマン:ベース
ビリー・プレストン:ピアノ
フィル・スペクター:ピアノ

  1. マザー(母)
  2. しっかりジョン
  3. 悟り
  4. 労働階級の英雄
  5. 孤独
  6. 思い出すんだ
  7. ラヴ(愛)
  8. ウェル・ウェル・ウェル
  9. ぼくを見て
  10. ゴッド
  11. 母の死

ジョン・レノンがビートルズの一員から`個`へと意識を変化させつつあった変革の時に生まれた初のソロ・アルバムです。

ジョンの作品の中で最も衝撃を与えたアルバムであり、ロック史上に残る名盤との評価は揺るぎないものになっています。1970年、事実上のビートルズ解散によりノイローゼ状態に陥ったジョンは、アーサー・ヤノフ博士による精神治療(プライマル療法)を受けます。そのジョンの叫びが凝縮された作品です。

突然ゴーン、ゴーンと鐘が鳴った。マザ~、ユーハッドミー、、重苦しい声が響く、、
ゆっくりのテンポが息苦しくなってきます。

そんなオープニングのアルバムです。どの曲もずっしり胸に響くものばかりです。


オール・シングス・マスト・パス」 ジョージ・ハリスン

ビートルズ解散後初のソロ作です。デレク&ドミノスやバッドフィンガーの面々が参加、LP3枚組の大作にもかかわらず大ヒットしました。ハレ・クリシュナ信奉が率直に歌われた”マイ・スウィート・ロード”や”美しき人生”など美メロ満開の名曲が並んでいます。フィル・スペクターが様々な楽器の音を幾重にも重ねる中、本人の温かなスライド・ギターが印象的です。


「いとしのレイラ」デレク&ザ・ドミノス

エリック・クラプトンがバンド名義で出した最高傑作。米南部の泥臭さが染みこんでいます。スライドの名手デュアン・オールマンとのギター・バトルが炸裂。表題曲は史上最も有名な不倫の歌ではないでしょうか。


「帽子が笑う不気味に」シド・バレット

精神を病みピンク・フロイドを辞めた天才が友人の協力で完成させた初ソロアルバムです。怠惰な”カメに捧ぐ詩”や美しい”金髪の髪”など、危うい雰囲気漂う名曲が揃っています。この音にデーモン・アルバーンやジョン・フルシアンテも心酔しました。


「パラノイド」ブラック・サバス
暗黒や悪魔といったイメージと結びつくヘヴィ・メタルは彼らから始まりました。第2作は代表曲や”アイアン・マン””ウォー・ビッグス”などの代表曲を収録。トニー・アイオミの重くうねるリフが快感です。


「アメリカン・ビューティー」グレイトフル・デッド
60年代サイケの代表バンドがカントリー路線を推し進めた最高傑作です。キャッチーな”シュガー・マグノリア”やコーラスが胸に沁みる”ブロークダウン・パレス”など充実の曲と演奏が味わえます。


「ムーンダンス」ヴァン・モリソン
 前作「アストラル・ウィークス」と対を成す、味わい深くも華やかな3作目です。ジャージーな表題曲、名カヴァーも多い”クレイジー・ラヴ”、「ラスト・ワルツ」で歌われた”キャラバン”などが聴けます。


「コスモズ・ファクトリー」CCR
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの5枚目のアルバムです。前年の「グリーン・リバー」、同年の「ペンデュラム」と並んで私のお気に入り作のベスト3に挙がる作品です。イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、フィンランド、ノルウェーと多くの国でチャート1位のヒットを記録しました。またシングル・ヒットも連発しています。


「ファイヤー・アンド・ウォーター」フリー
 当時まだ20歳前後だったのが信じられない4人の早熟な才能が生み出した、英国産ブルース・ロック最良の成果です。唯一無二のバンド・アンサンブルと、個々の確かな表現力が結実した傑作サード・アルバムです。


「デジャ・ヴ」クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング
 CS&Nにニール・ヤングが合流してロック色が強まり、厚みが増しました。鋭角的なハーモニーで全編を押し通す”キャリー・オン”などの緊張感と、4人の持ち味を生かした楽曲との構成が絶妙です。これを越えるアンサンブルはないと言うファンも多いです。


日本のヒット曲

「走れコウタロー」 ソルティ・シュガー
「誰もいない海」 トワ・エ・モア
「戦争を知らない子供たち」 ジローズ
「竹田の子守唄」 赤い鳥
「あなたならどうする」 いしだあゆみ
「四つのお願い」 ちあきなおみ
「経験」 辺見マリ
「笑って許して」 和田アキ子
「もう恋なのか」 にしきのあきら
「手紙」 由紀さおり


1970年の主な出来事
1月 「ドラえもん」連載開始 藤子不二雄
3月 大阪で日本万国博覧会開催 (~9月まで)
3月 日本航空よど号ハイジャック事件
8月 東京銀座などで歩行者天国始まる
11月 国鉄のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」始まる
11月 三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊で割腹自殺
11月 ケンタッキー・フライド・チキン1号店開店
12月 総理府、人口が1億人を突破と発表

ベストセラー 「冠婚葬祭入門」塩月弥栄子


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