痛み止めを日本酒で流し込み、調理場に立ち続ける。風間監督の母・洋子さん(82)のプロ根性を目の当たりにした。
第26節・清水戦の前日だった12日のこと。後輩・牧原記者とともに、洋子さんが静岡市内で営む飲食店へ向かった。洋子さんによる衝撃発言が飛び出したのは、魚介類のおいしさにほっぺたが落ちそうな思いをしていた時だった。
「腰がちょっと痛いのよ。折れちゃって。立ち仕事だから、痛み止めとお酒ね。そうすれば、痛みは消えるでしょ」
聞くと今月上旬、倒れた自転車を起こす際、腰を痛めた。検査すると腰椎が折れていたのだという。休業はポリシーに反するから、のれんを出し続けていた。
指揮官を女手ひとつで育て上げた洋子さん。痛みの強さを「ちょっと」と表現して客を安心させ、酒で痛みをぼかしながら笑顔で営業を続けるのは至難の業に違いない。
「間が悪くてすみません」という記者に「おいしかったでしょ? それで十分よ」と洋子さん。ごちそうさまでした。