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（なつ）お父さんが揚げた天ぷらをいつも　横で働いてたお母さんがダシをとって　タレを作っ

て…。
はい　お待ち遠さま。
思い出した…。
女将さんがそれを作ってた母に似てたから…。
（咲太郎）そうかもしれない…。
ごちそうさまでした。（一同）ごちそうさまでした。
（千遥）ありがとうございました。
（孝子）ありがとうございました。
♪～
（上田）何か　いろいろあったようだけど…変な人たちでしたね。
そうでしたね…。
行こうか。うん。（信哉）うん。
♪～
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
「咲太郎　なつ　千遥この手紙を受け取った時にはもう　この世にはいない。だけど　今も一

緒にいる。だから　悲しむな」。
「やっと　父さんはお前たちのそばに戻れたんだ。今　一緒にいるんだ…」。
♪～
千遥よ…　ただいま。
♪～
（テレビ）♪「明日の笑顔は　きっと友達」
翌日の日曜日また「大草原の少女ソラ」が放送されました。
♪～
（レイ）「父さん　僕も　乳搾りやりたい！」。
（父さん）「よし　やってみろ」。
（レイ）うん。
う～ん　う～ん　う～ん…。
はあ…。（父さん）いいか　レイこうやって　数を数えるように上から指を折るようにして搾って

みろ。
うん　分かった。
あっ　出た！できたじゃないか！
（レイ）「やった！」。（ソラ）「レイ　できたの？」。
「どれどれ」。（レイ）「ほら！」。
（搾乳する音）
（ソラ）すごい！　レイ　できたじゃない！
（キク）うまいもんだな。どうだ　坊主　うちで働くかい？
ダメよ。　レイは　私たちと一緒に自分の牧場を作るんだから！え～。
（ソラ）「ね　レイ」。（レイ）「うん」。
♪～
（千夏）私も　乳搾りやってみたいな…。
♪～
優　どうだった？（坂場）楽しかったか？
（優）うん。　優ちゃんも乳搾りしてみたい！
じゃ　今度北海道に帰ったら教えてあげる。
うん。
♪～
千遥ちゃんもきっと見てくれてるだろうな。
うん…　きっと。　千夏ちゃんと一緒に。
北海道には知らせたんだろ？うん　千遥に会ったことだけは…。
明美ちゃんからも話してくれてた。
君は　安心できたの？
うん…　どうして料理人になったのかは分からないけど千遥は　立派な料理人だった。
あの店で　誇りを持って料理していることだけは　よく分かった。
まあ　それだけで　私は安心できた。
（坂場）うん。
それからも　なつは「大草原の少女ソラ」の製作に追われていました。
手が回らない原画は　外注に出し戻ってきた原画を　イッキュウさんと手分けして　チェックし

ていきました。
ちょっといいですか？はい。
これ　母さんが卵を割って焼くシーンですが描き直してもらえますか？
卵が　おいしそうに見えないんです。
♪～
なるほど…。
（麻子）ちょっと待って！
外注先の原画をそこまで　こだわって直してたら本当に　身が持たないわよ。
だけど　確かにおいしそうに見えないですよ　これは。
でも　多少の妥協をしていかないともう間に合わないのよ。
だけど　これは　開拓者にとってやっと手に入れた鶏が初めて産んだ卵なんです。
ソラとレイも　どれほどこの卵を楽しみに待っていたことか。
それを　お母さんが料理するところを見るそこは　大事なとこだと思うんです。
そのとおりです。
卵よ？　難しいわよ！
♪～
ちょっと　もう一回お願いします。
（神地）オッケー。　いくよ。
（卵が焼ける音）
卵が　殻から　とろりと落ちて落ちたあとも　黄身を中心に跳ねるような揺れ細かく入れてみ

たんだけど…。
落下直後のトュルントュルンな感じは出てるよ。
でも　さっきから観察してるとさ動きも大事なんだけど色の変化が重要なんだよね。
白身が　透明から白くなっていってふちの方が　かたくなってこんがり焦げてく感じが食欲を

　そそるんだよな。
それは　そうだけどそれは　線画じゃ表現できないでしょ。
てことは　やっぱり色だよね。
モモッチ　色見本！（桃代）はい！
（麻子）色？あ…　色も　同時に考えるんです。
何の色？目玉焼きを作るシーンだけどモモッチの力を貸してほしいの。うん。
フライパンに落ちた卵が目玉焼きに変わっていく瞬間の色を細かく表現したいんだ。分かった

。
じゃ　もう一回　焼いてもらっていい？お安い御用だよ。
（茜）あ～　それにしても　いい匂い。
さっきから　おなか　すいちゃうわね。（下山）ね　ハハハ…　そろそろ　お昼だしね。
（茜　下山）はあ…。
あ…それだ！　それが足りなかったんだ。
匂いの表現です。　ソラとレイが卵が焼き上がるのを待つ間に匂いを吸い込む動作を加えた

らどうでしょうか？
それは　いいかもしれません。
テレビを見ている子どもたちにも　一緒に匂いを感じてもらえるようにしましょう。
はい　やってみます。
あ…　みんな　目玉焼き食べて。
え…　何かない？　しょうゆとか。（石沢）あ　しょうゆ　しょうゆ　しょうゆ…。
それから　３週間後。
開けて！あ～　はい　はい…。
これ見てよ　これ！
おっ？よいしょ。
視聴者から？そう！
子どもからも親からもどんどん増えてるって。
特に反響があったのがあの卵を焼くシーンよ！
えっ？あれを見てみんな　子どもたちが卵を食べたがったって書いてある！
本当ですか！（麻子）本当よ。
（卵が焼ける音）
（ソラ　レイ）うわ～　いい匂い！はあ…。
それ　ソラのまねしてるの？
そう！　ソラの卵を描いたのもお母さんのお友達かな？
そうかもね…。
♪～
（戸が開く音）
（雅子）どう　忙しい？
はい。　おかげさまで。ああ。
清二はどう？　帰ってきてるの？
いえ…。
そう…　困ったものね。
まあ　でも　そのうち目が覚めるでしょうからね。
あの人は　もう私のところには戻らないと思います。
ハハ…　そんなこと言ったってこの店は　清二の店ですからね。
お義母さん…お話ししたいことがあります。えっ？
清二さんともきちんと　お話しさせて下さい。
別れたいってこと？
お願いします。
♪～
なっちゃん！はい…？
千夏ちゃん！
こんにちは。こんにちは…。
千遥…。
なつよ　どうやら千遥は決意をしたようだ。