テレビ新広島 ＳＮＳで多数のフォロワーを持つインフルエンサーを活用した観光振興策が注目されています。今回、密着したのは、広島に招待された香港の女性インフルエンサーです。
白壁の街並み、山口県柳井市の通りを歩く女性たち。ＳＮＳで大きな影響力を持ついわゆるインフルエンサー、ダビさんとジアンさんです。
２人のインスタグラムのフォロワーを合わせるとおよそ１００万人。その影響力で中国地方の観光振興に一役買ってもらおうと、中国運輸局によって日本に招待されました。
１週間をかけて中国５県をまわり美しい景色や日本の文化にふれていきます。
香港から中国地方への宿泊者の数は５年前のおよそ２万３０００人から年々伸び続け、去年はおよそ１５万５０００人。およそ６・６倍に増えています。
その背景には、４年前に就航した広島と香港を結ぶＬＣＣ＝格安航空会社の存在もあります。
こうした動きを受け、中国運輸局はアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアに次ぐ観光振興の準重点市場に、香港と台湾を認定しています。
次に、一行がやってきたのは、いま山口県周防大島町で売り出し中の真宮島の「エンジェルロード」。潮が引いたときだけ、島と島がつながるんです。ここぞとばかりに風景を、写真や動画におさめていきます。
これまでも全国をまわり、日本が大好きだという２人。
日本の好きなところを聞くと、意外な答えが返ってきました。
【ダビさんとジアンさん】
「人が少ないところです」
「香港は人込みだらけなので日本のほうがいいです」
ダビさんは簡単な日本語を話すこともできます。
「（Ｑ、広島はどんな印象がありますか？）海がきれい。海の上が。（宮島の）鳥居、見たいです。鹿見たい、かわいい…」
続いて２人は、宮島口からフェリーで移動し、いよいよ世界遺産の島、宮島へ。
念願の鹿とご対面です。一斉にシャッターを切ります。
【ダビさんとジアンさん】
「とてもかわいいです」
「おとなしいですね、こちらの鹿は」
口や手を、水で清めて、いざ厳島神社の中へ。こういった日本の作法やマナーも学んでいきます。この場面もシャッターチャンスなんですね。
柱から顔を出したり、みなさん思い思いに写真を撮って参拝。おみくじにも挑戦しました。
慣れていないせいか、なかなか出てきませんが…２人とも仲良く「吉」でした。
【ダビさんとジアンさん】
「よかったー」
「鹿とのふれあいとか、お祈りしたこととか、おみくじを引いたことをフォロワーのみなさんに発信していきたいです」
世界遺産航路を使って、いざ広島のもうひとつの世界遺産、原爆ドームへ。世界的に有名な原爆ドーム。インフルエンサーのみなさんにおすすめのスポットがあるんです。それは違った視点から見ることができるおりづるタワー。ここから見る原爆ドームも新鮮です。
夕日をバックにいい写真がたくさん撮れそうな予感です。
広島を案内している中国運輸局の藤本さんは…。
【中国運輸局・藤本さん】
「原爆ドーム単体でだと、なかなか発信が難しいようなので。景色もいいじゃないですか、それと合わせて発信していただいた方がよりみなさんに興味を持って見ていただけるかなと思いまして、急遽あがることになりました」
インフルエンサーにとっては、写真映えが一番大切。香港のみなさんの趣味や志向を理解した上での観光振興も重要といえそうです。
【金田アナ】
「２日目の舞台は三段峡です。広島の自然を満喫します」
目指すのは、三段峡の中でも秘境中の秘境といわれる「二段滝」。
駐車場から３０分ほどかけて歩いていくのですが、インフルエンサーはかわいさ優先、ジアンさんまさかのサンダル。ケガをしないか少々心配です。渡船のみなさんにお世話になっていざ二段滝へ。切り立った岩肌は絶好の撮影スポット。
すると、だんだん滝の音が大きくなってきました。
こちらが三段峡の奥深くに位置する「二段滝」。
１９８８年の豪雨の影響で現在は一段の滝になっています。みなさん思い思いに最高の一枚を求めて写真を撮っていきます。人が多い香港から離れ、ひと時の癒しになったようです。
【ダビさんとジアンさん】
「景色がすごくきれいで、人も少なくて、すごく印象に残りました。日本での思い出をフォロワーのみなさんとシェアして、日本は東京や大阪だけじゃないことをＰＲしていきたいです」
じっくり時間をかけて、広島の文化や自然を満喫した２人。広島と香港の橋渡し役になるのか、その発信力と影響力に期待です。
