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技術の進化ばかりを見ていてはいけない

川島:健康なよりよい暮らし、つまりウェルビーイングとは何なのか。ゲームを通してその答えを探しているのですが、その中で、データと医療の面から今後の社会を見ようとしている宮田さんの知見と擦り合わせをしたいと考えて、これまでにもいろんな議論をさせていただいています。

 ナイアンティックでは、提供するゲームが医療分野と連動する必要性を強く感じています。技術だけを見て、「これができるようになったから形にしよう、その方が楽しいじゃないか」と発展させてしまうと、道を間違えてしまう恐れがあります。

 だからこそ医学をはじめ、他分野の視点を取り入れて、幸せな未来の定義をきちんとしていかなければいけない。「そもそも幸せとは何か」。これは人によってバラバラのはずです。僕らが目を向けている事業は少なくとも10年やそれ以上の長期的なスパンで成長させていくつもりです。だからこそ、最初にボタンを掛け違うと、ずっとズレたままになってしまいかねない、という懸念もありました。

宮田:そうですね、技術の進化によって実現可能になることや、事業の収益化ばかりを優先してしまうと、どうしても「人の生活はどうなるのか」という視点が、二の次になってしまいがちです。

 そういった視点についても、グーグルから独立して、ナイアンティックを運営するCEO(最高経営責任者)のジョン・ハンケ氏や川島さんたちは、次世代の人間の生活を視野に入れているのですよね。

 その上で、新しいビジネスをつくろうとしている志がすばらしい。

 テクノロジーやビッグデータが、ウェルビーイングに貢献する。そういった視点はこれからの王道になるんじゃないかと、私も思います。ナイアンティックは、未来の社会づくりのための、「核」に取り組んでいると感じています。