【歌詞考察】IZ*ONE「Vampire」。ヴァンパイアになりたがった理由

歌詞の意味を考察・・・ヴァンパイアになりたがった理由


道義的に許されない恋の苦しみから逃れるため

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ミュージックビデオでは、IZ*ONEがヴァンパイアに扮していました。

なので、「私」が、ヴァンパイアなのかと想像してしまいます。

そして、ヴァンパイアは、死者以上の存在でありますが、同時に生者以下の存在でした。

生活の糧にするために人間を襲うことになります。

ルーマニアのトランシルバニア地方では、ズメウがヴァンパイアに近いと言われていました。

ズメウは、若い少女の姿をしています。また、片思いのまま結婚できなかった者も、ヴァンパイアである、ストリゴイに成り果ててしまうと言われていました。

そういったことを踏まえると、IZ*ONE「Vampire」は、幸せな恋の結末を迎えるような想像はできないことになります。

次の歌詞から、主人公は、ヴァンパイアになりたがっていることがわかりました。

もし ヴァンパイア なれるのなら あなたに噛みつきたい

なぜ、ヴァンパイアになりたがっているのでしょうか。

ヴァンパイアに噛まれた人間は、彼らの仲間に成り下がってしまいます。

それが、目的でヴァンパイアが人を噛むのなら、仲間を欲しがっていると思いました。

ということは、「私」は、孤独ということになります。

どうにもならない愛、という歌詞がありました。

この表現で、「私」が好意を寄せている相手が、妻帯者ではないかと想像します。

道義的に許されない恋であれば、恋愛感情を持て余すことになりました。

でも、「私」は、「あなた」を諦められないのです。どうにもならない愛だから「私」は、孤独なのでしょう。

河の上に架かっている満月のモノクロ写真

そして、妻帯者である「あなた」に恋をすることが、倫理に背く行為であると「私」が思い詰めてしまったように感じます。

そして、やりきれなくなった「私」は、ヴァンパイアにでもなればいいという妄想を抱いてしまったと考えました。

そんな「私」は、自分だけが恋慕するだけで結婚もすることなく果てた、ストリゴイではないかと思います。

さらに、次の歌詞は、本当に「私」が、ストリゴイに成り果ててしまったかのような表現だと思いました。

もう ヴァンパイア 分かっててもあなたに抱かれましょう
ねえ ヴァンパイア 交わりたい2人で不死身の愛に変わりましょう

もう、という歌詞は、程度などが節目を超えていることを表しています。

つまり、「私」は、人間とヴァンパイアの節目を超えていました。

ヴァンパイアになることができれば、人道的であるかどうかを気にする必要がありません。

そして、ねえ、という歌詞からは、「あなた」に対する「私」の親しみや感情が感じられます。

続く歌詞には、2人で不死身の愛に、となっていました。

このことからわかるのは、「あなた」と「私」は、すでにヴァンパイアになっていることです。

「私」は、ヴァンパイアになることで、「あなた」を仲間に引きずり込んだことになります。

道義的に許されない恋の苦しみから逃れたことに成功しました。

とは言っても、歌詞の終盤では、もう鏡見て心決めた 私、ヴァンパイア、となっています。

やはり、「私」は、妄想の中で、ヴァンパイアになっているだけでした。

終わりに

恋が成就しない苦しみは、片思いだけではないのです。

両思いなのに、相手に妻帯者がいれば、それもまた苦しい状況でした。

「私」は、背徳感から逃れたいために、自分はヴァンパイアと妄想したと解釈します。 終わり


■Vampire■
IZ*ONE「Vampire」は、2019年9月に発売の3枚目の日本シングルになります。

歌詞は秋元康さん。