1958年に公開された『重臣と青年将校 陸海軍流血史』(土居通芳監督)は、張作霖爆殺事件から満州事変、五・一五事件などを経て二・二六事件へといたる軍部の動きが描かれた。この映画では、単に事件を再現するだけでなく、創作も多分に盛り込まれている。たとえば、宇津井健(当時27歳)演じる安藤輝三が決起に参加するかひそかに悩んでいたところ、懇意にしていた藤野(竜崎一郎)という新聞記者から、「目的がどんなに立派でも暴力革命をやるのはいかん」としきりに諭されるシーンは印象深い。これについて監督の土居は《なにしろ僕は戦後派だから軍人は嫌いだ。まして暴力と結びつく話なので、心の中では全てを否定してかかった。だが事実を今の感覚で見つめるとかえってウソになる恐れがあるので、できるだけ公平な目で見るようにつとめた》と映画完成後に語ったという(『隔週刊 東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション No.38』
二・二六事件は映画・ドラマでどう描かれてきたか。大河ドラマでは「いだてん」で35年ぶり2度目の登場
1958年に公開された『重臣と青年将校 陸海軍流血史』(土居通芳監督)は、張作霖爆殺事件から満州事変、五・一五事件などを経て二・二六事件へといたる軍部の動きが描かれた。この映画では、単に事件を再現するだけでなく、創作も多分に盛り込まれている。たとえば、宇津井健(当時27歳)演じる安藤輝三が決起に参加するかひそかに悩んでいたところ、懇意にしていた藤野(竜崎一郎)という新聞記者から、「目的がどんなに立派でも暴力革命をやるのはいかん」としきりに諭されるシーンは印象深い。これについて監督の土居は《なにしろ僕は戦後派だから軍人は嫌いだ。まして暴力と結びつく話なので、心の中では全てを否定してかかった。だが事実を今の感覚で見つめるとかえってウソになる恐れがあるので、できるだけ公平な目で見るようにつとめた》と映画完成後に語ったという(『隔週刊 東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション No.38』
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