大河ドラマで描かれた二・二六事件
劇中では、主人公の田畑政治(阿部サダヲ)と面識のあった大蔵大臣の高橋是清(萩原健一)が反乱軍の青年将校に殺害され、さらに朝日新聞社も襲撃を受け、田畑や上司の緒方竹虎(リリー・フランキー)が抵抗する様子が描かれた。高橋是清を演じた萩原健一は撮影時には亡くなっており、殺害シーンは、生前に収録した映像や、高橋のあだ名である達磨の絵を組み合わせて表現されていたが、かえって喪失感が出ていたように思う。脚本の宮藤官九郎によれば、萩原は亡くなる直前までこのシーンに撮影にのぞむつもりでおり、「馬鹿者!」というセリフを繰り返し練習していたという(TBSラジオ『action』2019年9月9日放送分)。
NHKの大河ドラマで二・二六事件が出てきたのは、1984年放送の『山河燃ゆ』以来35年ぶりである。同作の冒頭では、東京の大学に通っていた日系アメリカ人2世の天羽賢治(松本幸四郎=現・白鸚)が、ちょうどアメリカから来日していた弟の忠(西田敏行)とともに、両親の郷里の鹿児島を訪ねたあと東京に戻る途中、湯河原(神奈川県)の伊藤屋旅館に宿泊する。それが1936年2月25日夜のこと。同旅館には本館の隣りに別館があり、このとき、前内大臣の牧野伸顕が滞在していた。はたして翌26日未明、牧野を殺害するため、反乱軍の別動隊が別館を襲撃する。天羽兄弟はその騒ぎに巻き込まれてしまう。
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