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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]ローズS ファンタジー、秋華賞へ絶好発進

2019年9月16日 紙面から

 秋華賞トライアル「第37回ローズS」(GII・15日・阪神・芝1800メートル)は各馬の位置取り争いが激しい中、中団を進んだ単勝1番人気のダノンファンタジーが直線外から伸びてゴール前差し切り、1分44秒4のコースレコードで重賞4勝目を挙げた。川田将雅騎手(33)は同レース2勝目、中内田充正調教師(40)は初勝利。ビーチサンバが2着、ウィクトーリアが3着に入り、以上3頭が「秋華賞」(GI・10月13日・京都・芝2000メートル)への優先出走権を獲得した。

 レコードVで文句なしの絶好発進だ。直線入り口でゴーサインを出されたダノンファンタジーだが、思うような反応を示せず、先行するビーチサンバとウィクトーリアとの差が開いてしまう。そこから、2歳女王としての意地、そして三冠目に懸ける執念が、ファンタジーを突き動かした。一完歩ごとに差を縮めると、ちょうど2頭をのみ込んだところがゴール。1分44秒4のコースレコードで、チューリップ賞以来となる重賞4勝目を手にした。

 「ゲートを出過ぎた面がありましたが、よく我慢してくれました。秋初戦としてはいい内容で勝ってくれたと思います」と川田は結果が出たことに胸をなで下ろす。ハナに立つほど絶好のスタートを切ってしまったため、その後、抑えるのに苦労。直線でも鞍上が「またいろいろな課題を見せた」と指摘した、フラフラする面があったが、それでも差し切るのだから、世代トップクラスの力があることを改めて証明した。

 ひと夏を越して、収穫もあった。レース前に全くイレ込む面を見せず、中内田師が「返し馬で落ち着き過ぎていて逆に心配になるくらい」と話すほど。「これで結果が出ましたからね。だいぶ成長してくれています」とメンタルの進化に目を細めた。

 桜花賞馬グランアレグリアがスプリンターズSへ路線転換、オークス馬のラヴズオンリーユーがつめを痛めたため回避。混戦ムードの「秋華賞」になりそうだが、前哨戦を勝ったことでファンタジーが王手をかけた。「馬自身、良くなっていますし、いい形で秋華賞に行けると思います」とトレーナーは大きくうなずく。春の無念を晴らすべく、淀で“三冠目の正直”に挑む。 (黒柳勝博)

 

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