トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

[北の富士コラム]鶴竜の無責任極まる休場 ゲスト解説の五郎丸歩さんに楽しんでもらいたかったが…

2019年9月15日 20時29分

阿武咲(左)を下して全勝を守った隠岐の海=両国国技館で

写真

◇15日 大相撲秋場所8日目(両国国技館)

 中日のNHKテレビ中継は、ラグビー元日本代表の五郎丸歩さんをゲストに迎えての解説となった。やはりテレビで見た通りの堂々たる体格で、格好が良いの何のって。私が女だったら、ほっておかないかもね。

 私は、原則的に男性のゲストの時は、舞の海にやってもらい、女優さんとか美人の時は私がお相手と決めている。ラグビーの事は、ほとんどわかってもいないのに、何となく会ってみたかったのは、すっかり有名になった、例の拝むようなポーズのせいである。要するに単なるミーハー精神だけだったかもしれない。

 それと、初めての相撲観戦と聞いたので、うんと相撲を楽しんでもらいたい気持ちもあったからである。結果は、私のほうが楽しませてもらったようだが、さすが一流のスポーツマンらしく、的確な見方のできる人であった。

 存分に楽しんでほしかったが、本日に限っては凡戦が多く、おまけに鶴竜や妙義龍の休場も重なり、正直気が引けてしまった。目玉の炎鵬も、いつもの粘りがないまま敗れ、熱戦が期待された貴景勝の一番も、一方的な相撲に終わった。

 力士も人間だから、こんな日もあるが、こんな時にビシッと決めるのが横綱、大関の役目である。前日、もしや鶴竜休場も、と書いたら、まさか本当に休むとは、驚くというより、開いた口がふさがらないと言った方が良いだろう。

 休場の理由は、場所前から脚に異変があり、それが悪化し3連敗だから、治療に専念する。それは聞いていません。4連勝中は、そんなことはひと言も言ってなかったと記憶している。私も現役時代は何度か休場しているが、こんな無責任極まる休場は、した覚えがない。もう少し、頑張れなかったものか。

 鶴竜の休場のしかたは共通しているようだ。負けが込むと、実は前から痛めていたところが悪化したから休場。これ以上言っても無駄である。ゆっくり2、3場所休んでみたらどうだろう。それでも、稽古ができるようになったら、時津風部屋での稽古は止めたほうが良い。もっと気合の入った強い相手とやらねば稽古にならん。

 1敗の御嶽海が立ち合いの失敗とかで2敗となった。これで優勝争いは、完全にわからなくなった。隠岐の海が全勝を守った。1敗力士は明生のみ。「隠岐の海歩」。ゲストの五郎丸さんと同名である。初優勝に向かって力強い足取りで歩き出したのだろうか。私は今、夢なら覚めないで、の心境である。(元横綱)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ