韓国で次々起こる原発の重大事故。東日本だけじゃない。西日本にも原発事故の深刻な影響?

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私たち日本人は、社会は多少齟齬があっても、基本的には正確無比に稼働していて、国民はその恩恵に守られていると信じて疑いません。しかしこの認識は、現在では現実と乖離しているといえるでしょう。残念ながら日本人は特に戦後、安心・安全・効率というコンセプトの下での国体を完成する中で、情報感覚に疎くなり、結果ポリアンナ症候群(問題に直面しても、その中に含まれる僅かな良い部分だけを見て自己満足的安心状態に落ち込み、問題そのものの解決に意識が回らない事)に安住してしまった感があります。勿論、国民すべてが真実に重大な関心を抱かなければならないとは思いません。昔から”のど元過ぎれば暑さ忘れる”と言いますが、この”暑さ”が実は国民生活を脅かし、国を崩壊させるような私達の生存権、或いは生命権に関わる危機である”暑さ”だとすると、ことは看過できないものになります。

韓国で次々起こる原発事故。でも日本人は誰も知らない

先日NHKのニュースで”日本から韓国への旅行者数が減っている”という報道がありました。報道は”韓国にはまだまだ知らない良いところがある”で締めくくられていました。しかし”韓国では長年にわたって福島原発と同様の原発事故が相次いで起きているにも関わらず、詳細は公表はされていない”というような重大事については一切触れらることはありません。

現在はネット情報があり、いくら代表的なメディアがなんらかの意図を持って情報操作を行おうとしても、ある程度漏れてくるだけでなく、”検索”機能で、まとめてくれたり、整理して情報を収集することができますので「韓国 原発事故」あたりで検索すれば、多くの情報を得ることができます。その時、日本人はみな驚くような原発事故の多発に”本当?”というような反応を示しますが、大量に漏れてくるのは”情報”ではなく”放射能”なのですから、ことは重大です。

そんな韓国で6月16日原発から重水が大量に流出して29人が放射能物質を浴びる事故が発生したようです。またかということですが、場所が慶尚北道慶州にある月城原子力発電所らしく、だとすれば対馬までは150キロ(東京-静岡くらいか)、福岡まで280キロ。福島原発から東京までが270キロと考えれば海を挟んだだけの現状がどれほど危険か想像がつくと言うものです。

風評被害が起こると言うが…

以前、メディア関係の知人にこの疑問を投げたことがありますが、彼は社内ではその手の情報や発言を報道すると風評被害が起こるというので触れるなという上からの強力な指示があるというのですが、「メディアは風評など気にもかけていないだろう。森友・加計学園問題だけをみたところで、意識的にターゲットを作って(この場合は安倍首相ですが)風評被害を作り出しているではないか。今回の場合は日本国民の生命の脅威になるではないか」と指摘しても”分かってくれよ”と繰り返すばかり。当然、大きな力や意思が働いていることは間違いはなさそうです。しかしそのようなことは些末なことで、現実には対馬で生活しているかたや広く西日本の人々は、PM2.5だけでなく、それよりももっと深刻な放射能被害に脅かされ続けている。そしていままた重大な原発事故の前に助けが必要であるという現実には、背は向けられないものです。

このブログでは再三言っていることですが、このような事態になっても日本人は我慢強い(?)面を持っていて、それが人災で自分に災難が降りかかっても、自分に何ができると自問し、諦めてしまう傾向があるようです。

さて下の図は韓国・古里原発3号機の使用済み核燃料貯蔵プールで火災、爆発が起きた時の放射性物質セシウム137の拡散状況に関するシミュレーション結果ですが、細かい解説など不要でしょう。ただ下図の赤い帯は日本の国土と海域に落ち、蓄積され、そして消えることはないのです。今も韓国国内では日本海沿いに次々とこうした不良原発を作り続けていて、定期的に事故を起こしています。韓国の原発の多くが全羅南道(南部海沿い地域)に造られるのかという点を含めて、日本国民にとって重要な報道は一向に国民の耳には届いてきません。

そしてもっと脅威なのは、これはまだ多少民主的な韓国で起きた事故だから情報が入りますが、中国のように、事故を起こした電車車両を、証拠を消す為にさっさと地中に埋めてしまうような国があり、そこが将来的に数千か所の原発を建造しているわけですから、事故どころか原発の場所すら情報としては出すことはありません。大陸の風下の日本全土は韓国、中国、北朝の稚拙な原発被害の放射能の捨て場として位置しているのです。

何をされても愛想笑いをしている時代は終わっている

アジア大陸を旅していると、レストランの店員が笑顔なのは日本とタイだけだという話があります。原因は他の民族に国土を侵されたことがないからだということで、これは決して悪いことではなく、そのような歴史を持っていること自体は幸せなことです。しかし、笑顔で接することと、気骨を失って愛想笑いで誤魔化しているのは別のことです。強い力に踏みつけられた時、相手が大丈夫?と笑顔で接してきたら、微笑みを返してしまう。或いは悪いのはお前やお前の同胞だと言われたら、自分で考えもせずに受け売りをして行動する。そんな人間になりかけてはいないでしょうか。お互いの立場は尊重しながら、しかし看過できない問題があれば、知らない顔をして先送りするのではなく、しっかりと指をさして問題解決を迫るというのが当たり前の姿勢ではないでしょうか。常に愛想笑いをしてその場を凌いできた時代は、もう終わりにしなければなりません。

これほど重要な原発事故を報道しない国営放送に受信料を払い続け、そんなメディアの捏造報道を受け売りしたり、崩壊している年金制度を維持するという明らかなその場凌ぎに納得したり、人数が多い、公務員や高齢者だけが選挙の票のために過剰に優遇される現実に見て見ぬふりをしたり無駄な補助金や訳の分からない外郭団体という溝に税金をじゃぶじゃぶ捨てられても気に掛けなかったり、そんな時代はすでに終わっていることを自覚しなければ、日本は新たな時代を築けず、次の100年の深く不毛な眠りにつく事になるのでしょう。

追記事 産経新聞 2019年5月21日の記事

韓国原子力安全委員会は21日までに、南西部の全羅南道・霊光にあるハンビッ原子力発電所1号機で原子炉の熱出力が制限値を超えて急上昇したのに、即時停止を定めた運営指針に反し、運営会社の韓国水力原子力(韓水原)が停止させたのは異常感知から約11時間半後だったと発表した。放射性物質漏えいはなかったが、同委員会は重大事故につながる恐れがあったとみている。

同委員会は安全措置不足と原子力安全法違反を確認したとして1号機の使用停止を命令。委員会職員に捜査権を持たせた特別司法警察官を投入し原因や管理態勢を調査している。原発事故に詳しい松山大(愛媛県)の張貞旭教授は「深刻な状態に陥りかねず、緊急停止させるべきだった。韓水原のずさんな運営や安全軽視の姿勢に問題がある」と指摘した。

韓国の原発は全て韓水原が運営。商業用の24基中、ハンビッの6基以外の18基は日本海側にあり、事故が起きれば日本に被害が及ぶ可能性もある。韓国メディアによると、特別司法警察官の投入は1978年に原発の商業運転が始まって以降初めて。“関連記事【繰り返される原発事故 人類に原子力発電をする資格はあるか 】については、こちらからご覧ください“関連記事【世界は原発事故で溢れている。いつまで続くのか、原発の偽りの安全神話創作と壊滅的事故の連鎖】については、こちらから

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