中米からの難民申請を大幅制限 米最高裁が認める

Migrants in El Paso, Texas Image copyright Reuters
Image caption 新たな規則はメキシコ政府も反対している

米連邦最高裁は11日、アメリカへの難民申請者の資格を厳しく制限する、ドナルド・トランプ政権の新規則の効力を認める決定を出した。

これにより、第三国を経てアメリカ入国を目指す移民は、米国境に到着する前に、通過する国で難民申請をしなくてはならない。

移民削減を掲げるトランプ政権

トランプ政権は7月、この新たな移民管理の規則を発表。しかし直後に、サンフランシスコの下級裁判所がこれを無効とする判決を出していた。

この規則をめぐる法廷闘争は各地で今後も続くが、当面はこの決定が全米で効力をもち得る。

トランプ氏は再選を目指す2020年の大統領選に向け、移民の削減を政権の大きな目標に掲げている。

「メキシコ人以外を実質排除」

規則は、中央アメリカから徒歩でメキシコを経てアメリカへの入国を目指す、何万人もの人々に影響が及ぶとみられる。

アメリカ南西部の国境地域では、今年8月末までに81万1016人が拘束された。うち約59万人はエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスの出身とされる。大多数は家族1人以上とともに移動していた。

今回の規則により、米国境に到着する前に通過した国で難民申請をしていない人々は、その機会を失うことになる。

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Image caption メキシコの米国境付近に集まった移民たち(2019年8月)

この規則に反対してきた米自由人権協会(ACLU)は、「米南部国境に来る、メキシコ人を除く全ての難民を、入国地点で実質的に排除するものだ」と非難している。

第三国で難民申請をして認められなかった人や、人身売買の犠牲者は、これまでどおりアメリカで難民申請ができる。

米司法省の報道官は、今回の決定により、南部国境地域での危機的な状況が改善されるとの見方を示した。

(英語記事 Supreme Court approves Trump's asylum curbs

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