役者として他の人生を堪能できるのは、僕にとって贅沢なこと―高橋信インタビュー(後編)

『まじもじるるも』(柴木耕太役)や『OZMAFIA!!』(ユーディ役)などで活躍している新人声優・高橋信さんへのインタビュー。後編では、現場での体験したご自身や先輩たちとのエピソード、さらに普段の生活についても話を聞いた。

先輩の小野友樹さんの姿勢には刺激を受けます

初めての現場は喋ることが出来ないぐらい緊張してしまったという高橋さんだが、その後の現場ではどうだったのか。事務所の先輩の姿を見て思うところも大きかったようだ。
仕事をしていく中で、落ち込んだり凹んだりすることもありますか?
高橋 常にあります。その日その日の仕事が終わった後、何かしら課題や反省点があって。「役者は一生勉強」という言葉を残している先輩もいますが、本当にそうだなと実感しています。
特にやってしまったエピソードを教えて下さい。
高橋 『まじもじるるも』の柴木耕太を演じた時です。初めてのレギュラーで主演ということで、前日は眠れなかったんですよ。そのまま寝てない状態で収録に行ってしまい、喉がガラガラで……。考えていたことも全部飛んじゃいました。そのときは、逆に自分のイメージに凝り固まることが無かったので、修正がしやすくなったというメリットはあったんですけどね。でも、戻れるなら、万全の体調でやりたいですね(笑)。
事前に作りすぎてしまい、修正が上手く出来なかったという話はよく聞きますね。
高橋 僕もよくあるんですよ。だから、あまり作りこまない方がいいんですよね。それは別にサボっているわけはなくて、「やり過ぎはよくない」と先輩から教えていただきました。
素晴らしい先輩はたくさんいると思いますが。特に刺激を受けた人はどなたですか?
高橋 同じ事務所の小野友樹さんとは一緒の現場になったこともあり、演技や普段の姿勢にすごく刺激を受けます。言葉というよりも、小野さんの背中を見て、その姿勢を教訓にしているといいますか。行動で語ってくれている感じがしてならないんです。
小野さんは人前ではユーモアたっぷりですし、お話させていただくと根が真面目で真摯に取り組んでいるのをすごく感じますよね。
高橋 そうなんです。人に対してとても丁寧な方で、例えば先輩と後輩がいる時に「先輩を優先させて、後輩の話は後回し…」とかしないんですよ。後輩に対してもしっかりひとりひとりの目を見ているというか。小野さんの優しさや真摯な部分は役に活きていると思いますし、人に真面目に接するということは、役に対しても真摯に接することが出来るのかなと思います。本当に素晴らしい先輩です。
では、同年代で普段から仲の良い人は?
高橋 専門学校からの同期で、81プロデュースの森田了介さんとは今でも飲んでいます。あと、同じ81プロデュースの青山耕平さんともよく居酒屋で芝居の話をするんですよ。それぞれが悩んでいることって、違うことのようで根本は同じだったりするんですよね。
飲みながら芝居の話をするのは、昔の役者のような感じですね。
高橋 専門学校の講師から「森田と高橋は考え方が古い」と言われたことがありますが、そういうことだったんですかね(笑)。声の芝居だから、体を動かす必要がない…とは思ってはいなくて、役者として何が必要なのかということを常に考えていて、それは専門学校時代も今も変わらないですね。
役者としての意識は強いみたいですが、歌などの活動についてはいかがですか?
高橋 歌も好きなので精力的に頑張っていきたいと思っています!事務所で歌のサンプルを収録させて頂いたんですけど、凄く楽しかったので、キャラソンのレコーディングはしてみたいですね。
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