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2019年9月15日 紙面から
中日-阪神 ノーヒットノーランを達成し、跳び上がって喜ぶ大野雄(小沢徹撮影)=ナゴヤドームで
中日・大野雄大投手(30)が大仕事をやってみせた。14日の阪神戦(ナゴヤドーム)でノーヒットノーランを達成した。6日に成し遂げたソフトバンクの千賀滉大に続く史上81人目(通算92度目)の偉業で、セ・リーグでは昨年7月の巨人の山口俊、中日では13年6月28日のDeNA戦(横浜)での山井以来12人目の快挙で許した走者は失策と四球による2人。チームは3-0で勝った。
無邪気に4回も跳びはねる姿がどれほどの喜びだったかを物語る。大野雄がやった。史上81人目の無安打無得点試合。「自分には縁がないものと思っていたので信じられない気分です。自分ひとりだけでは達成できないですし、野手や加藤、大野(奨太)さんのリードのおかげです」。球史に名を刻んだ実感をかみしめた。
立ち上がりから盤石だった。初回無死。先頭・木浪のバットが砕ける音が快投ショー幕開けの合図。力強い直球を軸に5回まで完全投球。阪神打線に付け入るスキを与えない。6回1死から失策で初めて走者を許しても「打者と無理に勝負しなくてよくなった」とすぐに切り替え後続を断った。「狙った」という9回。ギアが上がる。最後の打者・近本を仕留めたのはこの日最速の151キロ。自慢の直球は最後まで勢いを失わなかった。9イニングで奪った三振は9つ。失策と四球の走者だけ。文句なしの内容だった。
今季輝かしい舞台に戻ってきた左腕。だが1年前はどん底にいた。新人以来の未勝利。自信は粉々に砕かれた。「登板して序盤に失点したら敗戦後のコメントを考えてた」というほどだった大野雄を変えた言葉がある。
昨秋のキャンプで塚本コンディショニングコーチからは「プロ野球選手は夢をかなえてきた人たちだから実現性が高い。ポジティブにいこうよ」。昨年は2軍担当として昇格と降格を繰り返す姿を見てきた同コーチの助言。メンタルが安定し「9年目で一番いい成績を残せているのはその言葉のおかげ」と振り返る。
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