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“米軍基地問題”解決に必要なこと 沖縄だけではなく日本全体で 玉城知事の訴え
更新:2019/09/10 18:40
沖縄県の米軍基地問題への関心を高めてもらおうと玉城デニー知事が大阪を訪れました。普天間基地の辺野古移設を巡って政府との対立が深まる中、問題解決に向けて何が必要なのか。知事の思いを取材しました。
9月8日、沖縄の伝統的なメロディが鳴り響いたのは大阪市大正区。沖縄出身者らが多く集まる恒例のエイサー祭りです。そこに現れたのが、沖縄県の玉城デニー知事(59)。得意のギターで奏でるのはボブ・ディランの名曲「見張り塔からずっと」。今の沖縄の状況に合わせて一部替え歌にして祭りの参加者を沸かせました。
「Statesmen landfill my Henoko shores(政治家は勝手に辺野古を埋め立てる)」(玉城知事の歌唱より)
キャラバンと銘打って今年から全国の主要都市を訪れている玉城知事。その目的は基地問題について関心を高めてもらうことだといいます。
「戦後74年経っても、まだ米軍専用施設面積の70%あまりが沖縄にある状況を解決するために、一緒に問題を共有して、それぞれの地域の皆さんで話し合いの場を持って行動するチャンスを作っていただいたり、そういうきっかけ作りをしてほしいということで、全国をまわって情報共有と支援のお願いをしている。」(沖縄県 玉城デニー知事)
■「沖縄だけ」の問題ではない■
基地問題を象徴するのは宜野湾市の普天間基地移設を巡る動きです。1995年、米兵による少女への暴行事件をきっかけに基地反対の機運が一気に高まり、翌年に普天間基地の返還が日米で合意されます。しかし当初の期限内に移設先は決まらず、返還合意から20年以上経った今、国は名護市・辺野古への移設を進めています。
一方、翁長前知事は「辺野古では沖縄の負担軽減にならない」として県外や海外への移設を主張。その考えは玉城知事に受け継がれています。
「前の翁長知事の県知事選挙、私の去年9月の県知事選挙でも、辺野古移設の賛否は大きな争点でしたし、2月24日には県民投票が行われて、辺野古の埋め立てに『反対』か『賛成』か1つの課題に絞った住民投票も行われて、大多数の方が『反対』と意思を明確にした。(反対72.15% 投票率52.48%)」(玉城デニー知事)
それでも、辺野古での工事は続けられています。
「基地問題はややもすると沖縄に基地が集中しているから、沖縄とアメリカの問題だと捉えられがちですが、これは日本とアメリカの安全保障、国全体の問題なので、国民一人一人にかかってくる問題だという認識を共有してもらいたい。」(玉城デニー知事)
■「関空に海兵隊」を想像して■
Q沖縄の“痛み”を自分の事として捉えてもらうためには?
「どうすれば、米軍基地も自衛隊もない戦闘機も飛んでない地域の人たちが考えてくれるきっかけにしてくれるのか。私たちからあえて言わせていただくならば、例えば関空に海兵隊を引き入れるとしたらどうなんだろう?とか。関空も伊丹も八尾も神戸空港もある。これだけ空港があるんだから、1つは米軍に貸してそこから財政として代わりのものを得るということに置き換えて考えてみては、と。そうすれば沖縄がどういう状況にあって、どういう歴史的な経緯があって、なぜ沖縄県民が反対をしているのかということについて、少しずつ理解していただけると思う。」(玉城デニー知事)