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【ドラニュース】

長く第一線で活躍するには…来季から“現役最年長” 阪神・福留に学ぶ『成功の法則』

2019年9月14日 紙面から

3回表、3ランを放ち筒井コーチ(左)に迎えられる福留(小沢徹撮影)

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◇龍の背に乗って

 打った瞬間、福留は歩いていた。右翼ポール際の奥深くまで飛ばされた3ランで4点差。3回なのに、敗戦を覚悟させられるのに十分なインパクトだった。

 「あの回に1点だけじゃなく、ああやって追加点を取れたのはよかったですね」。柳のストレートを打ち返すパワーは、42歳とは思えない。

 この日、球団からメッセンジャーの今季限りでの引退が発表された。日本通算98勝。日本人扱いとなるまで阪神の先発陣を支えてきた功労者だ。

 「本人が思い描いていることと、実際のパフォーマンスの違いが出てきたんだと思う。葛藤はあったはずだけど、本人が決めたことだから。お疲れさまでしたという気持ちと、まだできるんじゃないかという気持ち。どちらもありますね」

 年齢による衰えの正体は、この言葉の中に隠されている。脳内のイメージと体の動きのズレ。それをいかに遅く、小さくするか。退団が決まっている鳥谷が38歳。メッセンジャーも38歳。年齢が下の同志が、チームを去る。ロッテ・福浦がすでに引退を表明しており、来季からは「現役最年長」の肩書がつく。

 ここ数年、食事をともにすればアンチエイジングの話題を振る。彼がシーズンオフに必ず取り組んでいるのが琵琶湖畔の施設でのファスティングだ。口にするのは酵素ドリンクのみ。体重をそぎ落とし、次の年への肉体のリセットボタンを押す。それ以外は…。驚くほど自然体なのが福留の流儀だ。

 今や常識の筋力トレーニングをほとんどやらない。ナイター後はサプリメントだけで済ませる選手も増えてきたが、絶対に食事を取る。昭和生まれの野球人。メッセンジャーの話をよく聞かせてくれたのも、彼にも同じプロ魂が宿っているからだろう。

 「外国人選手というのは関係なく、若い選手が学ぶべきだと思いますよ」。長くやり、数字を残す人の成功の法則。若竜が学び、盗めるものはきっとある。

(渋谷真)

 

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