世界記録を打ち立てたこともある『立体パズル』の達人。その、攻略法を支えているのは、独自にあみ出した驚きの記憶術なんです!
友寄英哲さん、86歳。
「それでは始めます。よ~い・・・」
『ピーーー!』
早速、立体パズルを手にした友寄さん。しかし、じっと眺めているだけです。
「始めます」
目隠しをしてパズルを回し始めました。手を動かし始めて、1分30秒。見事、完成です。
「覚えたとおりやっていますから。間違えないで動かしていたらできたんだろう」
じつは友寄さん、目隠しをする前に色の配置を覚え、頭の中でパズルをそろえていたんです。
このパズルは、競技として国際大会も行われていて、世界中から幅広い世代が挑戦。友寄さんは、80歳のときに世界最高齢記録を17歳も更新しました。
友寄さんがパズルの配置を瞬時に記憶できるようになったのは、学生時代、語呂合わせで覚えることに興味を持ったことがきっかけでした。
54歳のときには、4万桁の円周率を暗唱して世界記録を打ち立てます。
「これが円周率4万桁。『砂丘でね、向く妻に、海が映える』例えばこんなふうにして。楽しいですよね、それぞれが文章になっているということは」
さらに70歳を過ぎて始めた立体パズルでも、語呂合わせを使った記憶術を応用しています。
色の配置を、友寄さんは まず数字に置き換えます。『3658』。それを語呂合わせで “猿小屋” と名付けます。
その攻略法も語呂合わせ。こうしたパターンを200以上作り出して、記憶しているんです。
ここ数年は、年齢とともに失敗も増えてきましたが、覚えやすい語呂合わせにするなど、工夫を重ねています。
「何回も何回も失敗している。『だめだ、もうやめよう』と思ったけど、やってると必ずどこかでちゃんとなる。人間は諦めないで最後までやっていれば、絶対なんとかなる」
友寄さんの記憶力はなぜ衰えないのか。高齢者の認知機能を研究している、神戸大学 大学院の准教授、増本康平さんに聞いてみました。
「やろうと思って遅すぎることはない。高齢になってもできる。覚え方を工夫し何回も訓練することで、あまり考えず、自動的に 労力少なく立体パズルができるようになる」
友寄さんが続けてきた挑戦は、今、夫婦でともに目指すものになっています。
4年前に脳出血で倒れた妻の光子さんは、右半身にマヒが残り、今もリハビリを続けています。友寄さんに教わりながら、少しずつ、立体パズルをそろえることもできるようになってきました。
『お~~~!(拍手)』
「できたときはこう、できた~!てね」
「教えてもらった。弟子です」
「片手でやれるようになったんです。けっこう複雑なんですけどね、今のも」
夫婦で楽しみながら記憶の限界に挑戦していきます。
今月(9月)、87歳の誕生日を迎える友寄さん。さらに記録を更新していきたいということです。