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石川「交通安全」願い込め手作り 中能登の菊谷さん夫婦、人形贈り10年
闘病乗り越えた恩返し交通安全の願いを込めて-。中能登町高畠の菊谷久江さん(68)と泰明さん(71)の夫婦が十二日、七尾署を訪れ、手作りのマスコットを贈った。「命を大切にしてほしい」。二〇〇九年から毎年寄贈し続け今年で十年。活動のきっかけは、十一年前に送った苦しい闘病生活だった。(稲垣達成) 体の具合が悪く病院へ行くと、医師に告げられた。「持って二、三カ月です」。〇八年、悪性リンパ腫を患った。「何のことか分からなかった」と久江さん。入院し抗がん剤治療を受け始めた。 入院から数カ月が過ぎたころ。少しずつ体調が落ち着き「気を紛らわそう」と以前からの趣味だった折り紙を始めた。本を見ながら、ツルや宝船などを治療の合間に折っていた。 半年後に退院。入院生活は苦しかったが、「家族が忙しくても毎日来てくれたから頑張れた」。人の支えを感じ、退院後は「今度は私が何かして、喜んでもらいたい。少しでも社会の役に立てれば」。手芸を生かそうと思い立った。 泰明さんが切った和紙千三百~千四百枚を久江さんが折る。接着剤で張りつけ、フェルトに綿を詰めて手縫い。パーツを組み合わせ、高さ三十センチほどの人形に仕上げる。完成までに一年を費やす。泰明さんが「暇さえあればずっと折ってる」と話せば、久江さんも「紙を折りすぎて指紋がなくなって…。指先がつるつるになったわ」と笑う。 今回署に贈ったマスコットは、七尾市出身の画家長谷川等伯をモチーフにした人形一体と、干支(えと)に合わせたイノシシのアクセサリー二百個。二十一日からは秋の全国交通安全運動が始まる。山崎哲朗署長は「一件でも事故が減るように、心を込めて配らせていただきます」と語った。 人形は署の窓口に飾られている。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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