子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は必要ありません~定期的な併用検診と適切な治療で予防できます(2019.9.2データ更新版)

HPVワクチンは、2013年の予防接種法の改正によって、自治体に実施義務があり自治体が積極的な接種勧奨をする法定接種に位置づけられましたが、法施行から2か月半たらずの2013年6月14日、接種勧奨が中止されました。重篤な副反応被害が続出したからです。

以下①~③を通して、子宮頸がん予防にHPVワクチンは必要ないことを示します。

【INDEX】
①  HPVワクチン(2価サーバリックス・4価ガーダシル)のがん予防の有効可能性は0.01%
②  重篤な副反応疑いは有効可能性の5倍
③  子宮頸がん検診は、「がん発見」検診ではなく、「がん予防」検診。子宮頸がんは定期併用検診で予防できる。

【① について】

 

(1)セクシャルデビュー前の小学校6年生から高校1年生相当を推奨対象年齢としているHPVワクチンの有効可能性を議論する時、生涯罹患率(約1%)を持ち出すことは不適切です。

第一に、
厚生労働省のHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)リーフレットには
●子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていない

2価ワクチン(サーバリックス)・4価ワクチン(ガーダシル)両剤の添付文書には
●本剤の予防効果の持続期間は確立していない
と明記してあります。

第二に、
HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生までのセクシャルデビュー前の少女を対象としており、ワクチン有効可能性については、性交渉を開始した若い女性がHPV16型・18型に感染した場合の子宮頸がん罹患率から有効可能性について議論すべきであり、人によって大きくリスク因子・生活習慣が異なることを含んだ生涯罹患率を用いてワクチン有効可能性を議論することは、不適切です。

(2)2013年3月28日の参議院厚生労働委員会での、私の質問に対する厚生労働省健康局長答弁
●HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しても、2年以内に90%は自然排出
●持続感染して、前がん病変の軽度異形成になっても3年以内に90%は自然治癒(医学雑誌The Lancet)

また、
HPVワクチン推進派の今野良 自治医大附属さいたま医療センター教授の、
●20歳-25歳女性のHPV16型または18型の感染率は約10%
●軽度異形成からがんに進行する可能性は約1%(2012年9月 現代性教育研究ジャーナル)
により、

小学校6年生から高校1年生相当の「性交渉開始前」の少女の、ワクチン対象のHPV16型・18型の子宮頸がん予防のためのワクチン有効可能性は、
感染率10%×自然排出しない10%×軽度異形成からがんに進行1%=0.01%
となり、非常に低いのです。

(3)国立がん研究センター統計では
子宮頸がん罹患数は10,759人/合計値、10万人に16.4人です(2015年)。
子宮頸がんに占める16・18型を50~70%とすれば、10万人に8.2~11.48人で、
ワクチン有効可能性は0.0082~0.01148%となります。

さらに、2018年11月の国立がん研究センターレポートには、
●CIN3から浸潤がんへの進展は、5年間で13.0%、10年間で20.0%、30年間で31.3%と報告されている、
と記載されていることも付言します。

(4)HPVワクチン製造販売元GSK社とジャパンワクチン(解散予定)のHPには、
「HPV感染の約0.15%が子宮頸がんを発症すると推定」と明記→こちら
子宮頸がんにおけるワクチン対象HPV16型・18型が50~70%とすれば、0.075~0.105%。
16・18型感染率10%なら、
やはり99.99%はワクチンを接種しなくても子宮頸がんにはなりません。





(5)HPV感染症は性感染症であり、
リスク因子は、
●低年齢での性体験
●性的パートナーが多い
●多産
●HPV以外の性感染症に感染していること
●喫煙
などで(国立がん研究センターHPより)、
生活習慣の改善で、子宮頸がんになるリスクを減らすことは可能です。

公衆衛生上、HPV感染症のまん延防止には、性教育の充実による正しい啓発、不特定多数との性交渉を避け、定期併用検診(細胞診+HPV-DNA検査)による感染の有無の確認が重要です。
定期併用検診により感染が確認されたら、パートナー等に感染させないよう注意し、経過観察と生活習慣を改善することが求められます。

セクシャルデビュー以降、定期併用検診により感染が確認された場合には、経過観察・生活習慣改善の上、適切な段階で(CIN3=高度異形成あるいは上皮内がんの段階)、適切な治療を行うことで(子宮頸部円錐切除術など)、子宮頸がんは予防できます。



【② について】
一方で、HPVワクチンの重篤な副反応疑いは1837人(2019年4月30日までに、ワクチン製造業者と医療機関から厚生労働省に報告されたデータ)で0.0537%です。重篤とは、「死亡、障害、死亡・障害につながる恐れ、入院相当以上のもの」です。
重篤な副反応疑いは、ワクチン有効可能性の5倍、なのです。
さらに、HPVワクチンの重篤な副反応疑いは、接種回数あたり、インフルエンザワクチンの、サーバリックスが83.2倍、ガーダシルが72倍です。接種人数あたりで換算すると、もっと高くなります。

【③ について】
子宮頸がん検診における定期併用検診「細胞診+HPV・DNA検査」の有効性は、HPVワクチンの臨床試験が証明しています。添付文書に記載のある通り、国内・海外合計42,142例の臨床試験のうち、子宮頸がんになった人はいません。定期検査で発見された前がん病変は、経過観察、適切な治療で治癒するからです。臨床試験は、定期併用検診で子宮頸がんは完全に予防できることを証明する試験になっているのです。

HPVワクチン推進派の上昌宏 元東大医科学研究所特任教授は、「HPVワクチンの臨床試験では、被験者が定期的にがん検診を受けることを前提にしている/つまり、検診でもし前癌状態(CIN2+以上)と診断されれば、当然ながら癌に進行するまでに治療される。治療をしないまま臨床試験を続けることは『人体実験』であり、倫理的に許されない。従って、ワクチンによって子宮頸がんの発症が減少したかどうかのデータが得られる前に治療するので、因果関係の証明が難しい」と述べています(2016年4月7日 新潮社Foresight)。



【まとめ】

以上、①②③のファクトにより、子宮頸がん予防のために、HPVワクチンは必要なく、セクシャルデビュー以降の定期併用検診で子宮頸がんは予防できる、という結論になるのです。もとより、小学校からの適切な性教育により、HPV感染症が性感染症であること、性感染症・子宮頸がんにならない生活習慣、定期併用検診の重要性、感染した場合のまん延防止などを啓発していくことが重要です。

私は、子宮頸がんを、HPVワクチンで予防するか、定期併用検診と適切な治療で予防するかは、本人と保護者の自己決定権の問題だと思います。自己決定のためには、ワクチンの有効性・必要性、副反応のリスク、定期併用検診と適切な治療についての、十分な情報提供が必要不可欠です。

HPVワクチンが法定接種となったわずか2ヶ月半後に発出された厚生労働省健康局長通知以降、「HPVワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が当該ワクチン接種後に特異的に見られたことを受け、これらの症状の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、当該ワクチンの定期接種の積極的な勧奨を中止する」(2016年6月7日 質問主意書に対する閣議決定政府答弁書)との政府見解は、現在に至るまで維持されています。

私は、まずは、HPVワクチンは、A類からB類に移行し、個人の自己決定権に委ねるワクチンとし、20歳からの定期併用検診を推進し、子宮頸がん罹患ゼロを目標に、子宮頸がんを激減させ、同時に、性感染症のまん延防止に努めるべきである、と思います。

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